Subject: [ts-mag:00055] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 260号】
    Date: Fri, 28 Jul 2006 16:42:25 +0900
    From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2006/07/28
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Intel Mac,Parallels,BootCamp,MODIS,GPS

オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第260号「 Boot Camp か? パ ラ レ ル ズ か? 」
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                       株式会社 オープンGIS




ブートキャンプに引き続いて、今週も藤田さんに報告してもらいます。

今週は、今話題の複数OS同時起動のソフトウエア『パラレルズ
(Parallels)』について体験報告をしてもらいました。


・・・


Intel Mac で Windows を動かすことのできるソフトは Boot Camp だけ
ではありません。Parallels(パラレルズ)というソフトを使うと、Mac 
OS 上に仮想マシンを作成し、Mac OS と同時に Windows を動かすことが
できます。Parallels では、初めから Intel Mac に入っているOS を「
プライマリ OS 」と呼び、仮想マシン上で動かす OS のことを「ゲスト 
OS 」と呼んでいます。今回は、Mac OS X をプライマリOS、Windows XP
をゲストOS として動かし、TNTmips の動作確認を行いました。

今回使用したコンピュータのスペックです。Boot Camp の動作確認を行
ったマックと同じものを使いました。

マック:	Mac mini
CPU:	Intel Core Duo 1.66GHz
メモリ:	1 GB
OS:	Mac OS X および Windows XP Pro


A.Parallels の設定

1)Parallels の入手

パラレルズ社のサイト:
 http://www.parallels.com/en/download/desktop/

から "Parallels Desktop for Mac DMG package" をダウンロードし、さ
らにトライアルキー(15日間有効のアクティベーションコード)を入手し
ました。
 http://www.parallels.com/en/account/registration/

2)Parallels のインストール

Parallels のインストール方法については、英文でパラレルズ社のサイ
トで紹介されています。

ユーザーズガイド:
 http://download.parallels.com/GA/Parallels_Desktop_for_Mac_User_Guide.pdf

クイックガイド:
 http://download.parallels.com/GA/Parallels_Desktop_for_Mac_Quick_Start_Guide.pdf

ダウンロードした dmg ファイルを開き、"Parallels-Desktop.pkg" ファ
イルを実行し、画面の指示に従って Parallels をインストールします。


B.仮想マシンの設定

1)仮想マシンの作成

アプリケーションフォルダ内にある Parallels を実行します。[New VM]
をクリックすると、"New Virtual Wizard" が立ち上がるので、しばらく
画面の指示に従い進みます。途中、作成する仮想マシンのタイプを選択
するところがあるので、"Create typical VM(recommended)" を選択しま
した。




2)ゲストOS の設定

さらにゲストOS は何をインストールするか尋ねられます。今回は 
Windows XP を使うので、ゲストOS を "Windows" 、ゲストOS のバージ
ョンを "Windows XP" に設定しました。後は画面の指示に従ってインス
トールしました。




3)仮想マシンの設定

最後にメモリとハードディスクの容量、そしてネットワークの設定をし
ます。今回は、メモリを512MB、ハードディスクの容量を32GBに設定しま
した。また、ネットワークの設定は "Bridged Ethernet" と "Host-only 
Networking" のどちらかを選択できます。



"Bridged Ethernet" では、Mac とWindows の両方に別々のIPアドレスが
必要です。"Host-only Networking" では、Mac のIPアドレスを利用しま
す。今回は両方の設定を試しました。


C.Windows XP のインストール

1)仮想マシンの起動

<winxp-Parallels Desktop>ウィンドウの右側にある緑色の三角ボタン
をクリックし、作成した仮想マシンを起動します。すると、アクティベ
ーションコードを要求されますので、前に入手したコードを入力します。




2)Windows XP のインストール

続いて Windows をインストールします。キーボードは "106 Japanese 
Keyboard"、フォーマットは "FAT" と設定しました。






3)Parallels Tool のインストール

Windows を立ち上げ、Parallels Tool をインストールします。
Parallels Desktop の "VM" から Install Tools を選択すると、<
winxp-Parallels Desktop>ウィンドウ内に<Parallels Tools Setup>
ウィザードが立ち上がるので、その指示に従ってインストールしました。

以上で、セットアップが終了します。Mac 用のキーボードであれば 
[Control] キーと [Option] キー、Windows 用のキーボードであれば 
[Ctrl] キーと [Alt] キーを同時押しすると OS を切り替えることがで
きます。





D.TNTmips の起動

1)動作環境

Parallels 上の Windows XP に TNTmips をインストールすることができ
ました。しかし、ライセンスキーの動作環境は Windows XP のネットワ
ーク設定によって違いがありました。設定を "Bridged Ethernet" にし
ていると Windows XP で HASP-USB キーは認識しませんでしたが、フロ
ーティングライセンスのクライアントとして使うことができました。一
方、ネットワーク設定を "Host-only Networking" にすると、Windows 
XP で HASP-USB キーを認識しますが、フローティングライセンスのクラ
イアントとして使うことができませんでした。この辺の違いの原因は今
のところ定かではありません。

ネットワークの設定HASP-USBキーフローティングライセンス
Bridge×:キーを認識しない○:クライアントとして動く
Host-only○:キーを認識する×:クライアントとして動かない


2)処理速度の比較 まずは、Parallels が動いていない場合と Parallels 上で TNTmips 以 外のアプリケーションが動いている場合の処理時間を比較してみました。 今回は、GyaO(提供:USEN)をParallels 上で流し、テストしました。 http://plusd.itmedia.co.jp/pcupdate/articles/0604/18/news007.html テスト内容は、前に Boot Camp で行ったテストと同じです。 テスト1:表示時間の測定 あらかじめインポートした「数値地図200000(地図画像)日本−T、日 本−U、日本−V」のラスタデータをすべて選択後、すべて表示される までの時間を計りました。 テスト2:モザイク処理 あらかじめインポートした「数値地図200000(地図画像)日本−T」の ラスタデータ全部をモザイクする時間を測定しました。 テスト3:SML処理 あらかじめインポートしてある「数値地図50mメッシュ(標高)日本− T」の標高データ(モザイク済)をSMLで5段階に分類する時間を計 りました。 (テスト画面) GyaO の画面はスムーズに流れていますが、TNTmips の処理速度がかなり 落ちます。

OSテストParallelsが
動いていない場合
Parallels上でGyaOが
流れている状態
Mac OS X1.表示9秒(1)16秒(1.8)
2.モザイク8分23秒(1)13分58秒(1.7)
SML3分20秒(1)7分50秒(2.4)


2つの OS を同時に動かし、さらにそれぞれでソフトを快適に動かすに は、より強力なマシンパワーが必要なようです。 ・・・ 次に、Parallels と Boot Camp のどちらを使えばより快適に TNTmips を使えるか試してみました。Parallels はネットワークの設定によって ライセンスキーの動作が違っていましたので、"Bridged Ethernet" と "Host-only networking" に分けてテストをしました。 結果は以下の通りです。

OSテストBoot CampParallels
BridgeHost-onlt
Windows XP1.表示6秒(1)12秒(2)10秒(1.7)
2.モザイク9分30秒(1)10分11秒(1.1)10分05秒(1.7)
3.SML3分32秒(1)4分36秒(1.3)4分38秒(1.3)


Boot Camp と Parallels を比較すると、Windows での表示時間に2倍近 くの差がありました。しかし、Parallels は仮想コンピュータを立ち上 げ、その中で 別のOS を動かし、さらに TNTmips を動かしているのにも かかわらず、表示以外の処理時間にあまり差が出なかったのは驚きです。 (ネットワークの設定は "Bridged Ethernet" でも "Host-only Networking" でも表示時間やモザイク処理の時間は大差ありませんでし た。) ただし、TNTmips の動きがとてもぎこちなく(例えば、ファイルを開い たとき、その中身が表示されるまでに時間がかかる等)この点で使いに くさを感じました。 2つのOSを同時に使えることと、処理速度。 どちらに重きをおくかで Parallels を使うか Boot Camp を使うかは決 まってきそうです。 エラー・バグ・トラブル + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ● 先週号のデジカメのSMLで、カメラの時刻補正の機能がうまく機能 しませんでした。マイクロイメージにフィードバックして、修正しても らいました。位置の計算にもやや間違いがありましたので、それも修正 してもらいました。 デジカメの時間がGPSより3分5秒遅れている場合は、入力窓には -00:03:05 と入力します。出力テーブル中の時間は、元の撮影時刻のま まです。 ◎ リンクのSMLを最新のものと交換しました。 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/gps-sml/GPSphoto.sml + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ● メルマガ【第258号】で報告しました、 MODIS AQUA データをインポートすると、180度回転して取り込まれる。 【エラー番号】btc11178E - Import Raster: MODIS-Aqua HDF import: imported raster is rotated 180 degrees は、TNTmips のインポート処理のエラーではないことが判明しました。 Terra と Aqua では衛星の進行方向が違うことが原因です。 衛星の進行方向は、テラが下向き、アクアが上向きです。 http://www.eoc.csiro.au/modis/nov02_ws/lecture3.pdf (2, 3ページ) 下向きに進行する(Descending)衛星では、地球を上から下、左から右に 向かってスキャンしますので、画像は北が上を向いた通常の画像になり ます。他方、上向きに進行している(Ascending)衛星では、下から上、右 から左にスキャンされますので、出来る画像は上下左右逆転の180度回転 したものになります。 インポートしたアクアの画像は、南北は逆転していますが、正しい座標 情報が付いています。北を上向きに表示したい時は、 ▼ 表示グループを開いて、 ▼ [投影法] のタブで、[自動マッチング:] を"なし"にして、 ▼ [方位:] を"北を上に向ける"にします。 ただし、MODIS の衛星画像は内部歪みを持っていますので、この座標情 報は正確とは言えません。内部歪みを除去したい場合は、座標ラスタを 使って再度ジオリファレンス+幾何補正を行う必要があります。 【過去のメルマガ 第196-198号】 http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_196.htm http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_197.htm http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_198.htm ◎SMLはマイクロイメージのホームページにも掲載されています。 http://www.microimages.com/sml/geolocate2.htm + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ● V2006:72で、世界測地系(JGD2000)のシェープファイルをインポート すると、測地系の情報が付きません。その場合には、以下のファイルを インストールフォルダにコピーしてから、再度インポートをお試しくだ さい。 http://www.opengis.co.jp/files/06July28/spatref.zip + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ● V70, Mac OS X, G5(64bit)用の最新パッチ(06/07/19)をインストール しようとすると、"Application Launch Failure"エラーが出ます。 マイクロイメージ社の英語の Mac OS 環境では問題ないようです。現在 原因を究明中です。今しばらくお待ち下さい。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + ◆◇ ご 案 内 ◆◇ .................................................................. ★ 数値地図50000(地図画像)のCD丸ごとインポートSMLをバージョ ンアップしました。 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/topo50k_v70.htm V70/71/72の Windowsで確認済みです。WriteMetadata関数のエラーのた め、使用にあたっては、2006/6/28以降のパッチをおあてください。 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/72patch.htm <主な改良点> (1)1枚のCDに含まれる画像は県単位であり、複数のUTMゾーン にまたがる場合があります。ファイル名からソーン番号を自動で割り当 てるようにしました。 (2)選択する管理ファイルの名称の違いから、日本測地系(Tokyo- Japan) と世界測地系(JGD2000) を自動で判別するようにしました。 (3)マックで使う場合、.RVCという空のRVCファイルが出来ましたが、 出来ないようにしました。 そのほか、シンタックスエラーの解決など、V70以降のSMLの変更に合 わせ、スクリプトを若干変更しました。詳しくは、 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/crs_by_sml2.htm .................................................................. ■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■ ◆ 現在の V2006:72 の価格 ・TNTmips シングルライセンス 890,400円(送料・税込) ・TNTedit シングルライセンス 537,600円(送料・税込) ・TNTview シングルライセンス 81,900円(送料・税込) ・TNTmips 年間バージョンアップ(2回分) 147,000円(税込) ・OpenGIS 年間テクニカルサポート 94,500円(税込) ・V2005:71 --> V2006:72へのアップグレード 88,200円(税込) ・V2004:70 --> V2006:72へのアップグレード 132,300円(税込) ・V2003:69 --> V2006:72へのアップグレード 169,050円(税込) ◆『TNTlite日本語解説セット』V72版 好評販売中!! (プログラム及びサンプルデータCD付き) <目次> 1.空間データの表示 2次元データの表示 3次元鳥瞰図の作成 2.衛星データの取り込み 3.ジオリファレンス 地図画像への座標情報付与 衛星画像への座標情報付与 4.GPSデータの取り込み 5.標高データの解析 陰影図の作成 断面図の作成 勾配・斜面方位の演算 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 困ったときの問題解決フローチャート ▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」 ▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」 ▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」 ▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」 ▼STEP5「テクニカルサポート」 STEP1 「ウェブ検索テクニック」  ▽オープンGIS検索システム  http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi  ▽メールマガジン検索システム  http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi  ▽マイクロイメージ検索サイト  http://www.microimages.com/search/  ▽Google 検索  http://www.google.co.jp/  とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に  - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)  を使いこなすと、便利です! STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」  ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」  http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]  ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」  http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]  ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」  http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]  ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」  http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]  ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」  http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語] STEP3 「ドキュメントを読んでみる」  ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」  http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]  ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」  http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]  ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」  http://www.microimages.com/didyouknow/ [英文]  ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」  http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]  http://www.microimages.com/getstart/ [英文]  ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」  http://www.microimages.com/refman/ STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」  メーリングリストに参加されたい方は、  info@opengis.co.jp までご連絡ください。  弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。 STEP5「テクニカルサポート」  テクニカルサポート・ユーザー専用 メールアドレス ############# このメールマガジンの配信について ################ このメールマガジンは、 年間テクニカル・サポートに加入されている、 ユーザーさまのみを対象としております。 基本的には、登録アカウント1つに対して 1ユーザーを配信対象としておりますが、 例えば、研究室の予算で加入された場合などは、 ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、 計2ユーザーを対象として配信させていただきます。 1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。 学生さん2名が同じくらい使用する場合は、 申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。 また、テクニカル・サポートの期限を3ヶ月以上過ぎてしまった場合は、 メールマガジンの配信を停止させていただきます。 メールマガジンが配信されなくなった時は、 サポート期限が3ヶ月過ぎたとお考えください。 転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、 お手数ですが、弊社までご連絡ください。 テクニカル・サポート活用案内 >サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。 >サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。 >サービスその3:対応は最優先で行います。 >サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。 >サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。 >サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。 >サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。 >サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。 >サービスその9:FTP サイトを 500MB に拡張しました... >サービスその10:現在計画中です... テクニカル・サポート・ユーザー専用 メールアドレス テクニカル・サポート・ユーザー専用 FTPアカウント(最大容量500Mbyte) ●テクニカルサポート用にスカイプのIDを用意しました。 テスト利用のためオフライン時は、申し訳ありませんが使用できません。 ============ おことわり ============= ※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、  TNTmipsに関わる新しいニュースを、  毎週金曜日に、皆さまへご提供させていただきます。 ※このメールマガジンの転載・転送はご遠慮ください。 ================================