Subject: [ts-mag:00209] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 198号】
Date: Sat, 23 Apr 2005 16:14:08 +0900
From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users     2005/04/22
Keywords: OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,Resample,Reproject,GMT


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第198号「 面的にいっぱいある ジオリファレンス(3) 」
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                            株式会社 オープンGIS


前号までのあらすじ...

先々週は、SMLを使って、衛星画像に緯度経度のコントロールポイント
を与えました。 先週は、幾何補正のための「モデル」を検討しました。

今週は、これらを踏まえて、実際に幾何補正(画像のピクセルの再配列)
を行います。


・・・



メインメニューから

「解析処理」>「ラスタ」>「リサンプルとリプロジェクト」>「自動...」
を選択します。




▽[ラスタを選択...]ボタンを押します。処理するラスタを選択します。




▽複数個ジオリファレンスを持っている場合は、使うジオリファレンス
の選択するウィンドウが出てきます。




ラスタの選択が終わると、そのラスタの情報がパネルに表示されます。




★この中に、「ジオリファレンスモデル:3次多項式」という行があり
ます。これは、ジオリファレンス処理で保存時に使用したモデルを示し
ています。ジオリファレンス処理では、こういう情報も書き込むのです
ね。


▽隣りの[設定]タブに移ります。




・まず[モデル]を選びます。




一番上にある[ジオリファレンスから]という選択肢は、先ほどの★印の
「ジオリファレンスモデル:」を指しています。
これを選択すると、「3次多項式」を選択したことになります。


・次に、[手法]は、「最近隣(ニアレストネイバー)法」を選びます。




これは、リサンプル後のセル値の値を、リサンプル前の最も近くあるセ
ルからもらってきます。値は変わりませんので、分類画像などの際に用
いられます。


・[範囲]は、処理範囲のことで、「全入力」(全範囲)のままにします。




・次に[スケール]です。「セルサイズを使用」、「ラスタサイズを使用」、
「リファレンスへ」と3種類の選択肢があります。

「セルサイズを使用」と「ラスタサイズを使用」は、処理する前のラス
タのセルサイズやラスタサイズの情報が、[ラスタ(複数)]」タブに記載
がありますので、



これを参考にしながら、与えることになります。


前のバージョンでは、処理する前のラスタの値が初期値で入っていたの
ですが、V7.0からはユーザ入力になってしまいました。いざ自分で決め
て入れるとなると、考えてしまいますね。

さて、「リファレンスへ」は、他の画像を 参照用ラスタとして選び、
それに合わせてリサンプルを行う場合です。


今回は、「ラスタサイズを使用」を選びました。画像は横長になると思
い、縦3,000行、横4,500列にしました。





以上で、パラメータの入力や選択は終わりです。

▽[実行]ボタンを押して実行します。出力RVCファイル名、ラスタ名
を与えると、実行を開始します。


・・・



結果です。

3種類のモデルについてリサンプル処理をしてみました。


1)まずは、参考に処理時間を計りました。

出力ラスタサイズ3,000x4,500, 最近隣法を使用
=============================================
■3次多項式変換			3分5秒
■4次多項式変換			3分9秒
 5次多項式変換			なし
■ピースワイズアフィン変換	3時間23分
=============================================
使用マシンスペック:	CPU:AMD Athlon64 3000+, 1GBメモリ	
						WindowsXP Pro+SP2
						TNTmipsV7.0

ピースワイズアフィンが時間がかかったのにはあわてました。



2)結果の画像は...

■3次多項式変換




■4次多項式変換




■ピースワイズアフィン変換




多項式の場合は、正体不明の三角形のきれっぱしが端に出来ました。



3)実際に画像がどのような形に再配列したかを示すため、
上の画像では透明設定されている場所を非透明にして表示すると、

■3次多項式変換




■4次多項式変換




■ピースワイズアフィン変換




黒のところが前は透明表示されていたヌルの範囲です。
縦横の赤線は、5度間隔の緯経線(緯度経度の線)です。


4)もう少し細かい位置の評価のため、これに米国のDCW(Digital 
Chart of the World)の海岸線のベクタデータを重ねてみました。

■3次多項式変換




■4次多項式変換




■ピースワイズアフィン変換




多項式での変換は、スリランカ西岸など海岸線での一致が今1つですね。




他方、ピースワイズアフィン変換は、画像全体においても海岸線との一
致はかなり良好です。





さて、3週間にわたって、ジオリファレンスでのモデルの考え方、実際
にリサンプル処理を使った幾何補正を見てきましたが、実務の上で他に
も考慮すべき重要なファクターがあります。

例えば、ここではセル値の計算方法として、「最近隣法」を用いました
が、他に「バイリニア空間内挿」、「共一次内挿法」があります。これ
らは、目的や用途によって使い分けることになります。また、図面など
のスキャニング画像のジオリファレンスに際しては、保存時の座標系の
設定によって残差の大きさも変わりますので、注意が必要です。



<参考図書>

☆村井俊治著「GISワークブック」(社)日本測量協会 (税別4,286円)

☆TNT入門「画像の幾何補正」(無料)
 http://www.opengis.co.jp/getstartj/rectify.pdf
		(原本:Rectifying Images 訳)
    http://www.microimages.com/getstart/rectify.htm
ウィンドウなどのインターフェースは V7.0以前ですが、TNTmipsで
の機能や概念の理解に役立つでしょう。




□■Tips□■
================================================================

バージョン6.9以前のリサンプルでは、

			「リサンプル」 > 「マニュアル...」 と、             
						   > 「自動...」

のように2つに分かれていました。





V6.9の「マニュアル」は、
	・90度時計回りに回転する、とか、
	・ラスタサイズ 6,000 x 8,000 のラスタを サムネール用に
		300 x 400 に間引く、

といった、一般の画像編集ソフトで行うような、座標情報(ジオリファ
レンス)を使用しないリサンプルを行う場合に使います。

V7.0で「マニュアル」のリサンプルを行うには、
「解析処理」>「ラスタ」>「抜き出し...」メニューの[拡大/方向]タブ
で行います。




=================================================================




エラー・バグ・トラブル
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ハワイ大学で開発されたGMTのnetCDF形式のDEMデータの読み込みが
サポートされました。
 http://gmt.soest.hawaii.edu/

TNTmipsのDV(開発バージョン)7.1からの対応です。

V7.1まで購入されているライセンスキーであれば、下記サイトから、
4月27日以降のパッチをダウンロードすることにより使用することが可
能です。
 http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV71.htm
(マイクロイメージ社のパッチは毎週木曜(日本時間)に更新されます。)

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◆◇ お 願 い ◆◇
..................................................................

 異動があった場合は、ユーザ登録を再度お願いします。

..................................................................


4月は異動の季節です。

バージョンアップをご注文いただくと、マイクロイメージ社からユーザ
登録された方へ CDやドキュメント類が直送されます。その際、ユー
ザ登録された方が異動でいらっしゃらないと、荷物が米国に送り戻され
ます。

異動された場合は、お手数でも、後任の方の名前(部署名でも構いません)
で再度 ユーザ登録をし直してください。

登録用紙はこちらにあります。
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/register.htm

何卒よろしくお願いします。

..................................................................





今週の話題 / メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
	特にありませんでした

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 利用されています。




■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

現在の ver7.0 の価格は 

・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)

ご不明の点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/



STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 50MB まで利用できます。
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