Subject: [ts-mag:00208] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 197号】
Date: Sat, 16 Apr 2005 14:55:43 +0900
From: WAZA Toshihiko

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2005/04/15
Keywords: OpenGIS,TNTmips,MailMagazine,Georeference,Model,Residue


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第197号「 面的にいっぱいある ジオリファレンス(2) 」
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                            株式会社 オープンGIS



先週は、衛星画像と一緒に提供されている緯度と経度のラスタを使って、
衛星画像にコントロールポイントを与えました。


今週は、この情報を使って、ピクセルの再配列(リサンプル、幾何補正)
を行うための「モデル」の検討をします。




まずは、
メインメニューから「編集」>「ジオリファレンス」を選択します。

▽「ファイル」>「開く」で、コントロールポイントを付与した衛星画
像を開きます。



コントロールポイントは全部で、1148個付いています。
(縦8120個 / 200個おき = 40.6, 横5416個 / 200個おき = 27.08 ==> 
植木算で、41 x 28 = 1148 )


▽さて「オプション」メニューから「並び替えの基準」を選び、
「トータル誤差」を選択します。




▽コントロールポイントのリストが [誤差(m)] が大きいものから並びます。





さて、これからが本題です。


▽現在の「モデル」は、「アフィン変換]です。




「モデル」を変えることによって、[残差]がどのように変化するか観察
します。残差全体の統計量がすぐ分からないので、残差のうち、大きい
方から1番目、2番目、3番目をメモしました。


======================================================
[モデル]		[最大残差]	[2番目]	[3番目]
======================================================

アフィン変換	263197.05	261293.46	258131.89
射影変換		296709.70	293970.30	289995.34
バイリニア		238273.82	237543.52	236489.00
2次多項式変換	234407.32	233298.13	233167.26
3次多項式変換	 48104.59	 47538.12	 45722.18
4次多項式変換	 40882.53	 40574.39	 40488.93
5次多項式変換	  9827.99	  9275.16	  8494.50
6次多項式変換	  6594.02	  6578.13	  6573.68
2Dピースワイズアフィン	すべて0.00

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他に、「3Dピースワイズアフィン」、「レーショナルポリノミアル
(有理多項式)」がありますが、今回は使用しません。


さて、[モデル] と [残差] の関係を見てみます。


・「アフィン変換」は、図形の平行移動、拡大縮小、回転、斜め変形を
行います。 今回のような緯度、経度ラスタの曲面的な変化(歪み)は、
アフィン変換では除去できそうにありません。

・「射影変換」の別名は"台形補正"です。。よく引かれる例として、飛
行機の窓から平地をカメラで撮影したとき、遠近法で道路が遠くで集ま
っているような写真の補正に使用します。

残差も大きいし、「射影変換」を今回の衛星画像の補正に適用する物理
的な根拠はありません。

・「バイリニア」は、XとYの1次変換です。これも残差が大きいです。

・「2次多項式変換」ですが、これも残差が大きいです。「3次多項式
変換」から残差がだんだんと小さくなります。



さて、先週の緯度、経度のラスタをもう一度見てみます。

 緯度ラスタ:




 経度ラスタ:





傾向を見るためにコンターを描きました。両方とも2箇所で屈曲してい
ますので、少なくとも3次式が必要そうです。2次式は放物線で、1回
だけ凸または凹なので、このような変化は表現できそうにありません。


多項式の次数が上がると、係数の数が増えますので、残差も小さくなり
ます。今回は、4次や5次の多項式を使う意味が見当たらないので、採
用しません。



というわけで、

*** 本日のポイント ******************************************

「ジオリファレンス」を使って、「残差」や「モデル」の持つ物理的な
意味を考えて、画像の幾何補正のための最適な「モデル」を検討します。

***************************************************************



さらに、「オプション」>「モデルへワープ」を選択すると、画面上で
変換した場合の結果を目で確認することができます。これは表示だけで
す。


「3次多項式変換」の場合:




「2Dピースワイズアフィン」の場合:




・「ピースワイズアフィン(Piecewise Affine)」は、近くのコントロー
ルポイント同士を結んで三角形(TIN)を作り、与えた緯度経度情報が
正しいとして、強制的に頂点のピクセルを移動する手法です。従って、
すべてのコントロールポイントの残差が0と表示されます。三角形内部
の変換は比例配分的な位置の移動になります。三角形ごとの変換は、3
点で一意的に決まるアフィン変換になるので、「三角形毎の断片的なア
フィン変換」というわけで、「ピースワイズアフィン」と呼ばれていま
す。



話が込み入ってきたので、今回はここで一休みしましょう。

来週は、やっと「幾何補正」の話に入ります。



<参考図書>

☆村井俊治著「GISワークブック」(社)日本測量協会 (税別4,286円)

モデルについての解説あり。GISで使う概念や言葉が簡潔に説明され
ています。GIS/RS技術者必携の1冊ですね。


☆岡崎彰夫著「はじめての画像処理技術」工業調査会(税別2,000円)

ピースワイズアフィンの説明をしています。





□■Tips□■小さな知恵
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表示するラスタやベクタが多くなり、サイズも大きくなると、表示時間
が長くなって、表示/非表示の切り替えのたびに再描画で待たされます。
作業効率にも影響します。

この時は、[セットアップ]ボタンを押して、[表示ウィンドウオプション
...]を選択します。




[表示]タブを選んで、上から1番目と2番目のチェックをはずします。




これで、「表示ウィンドウ」の左上にある[再描画]ボタンを押すまで、
自動的に再表示しなくなります。

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エラー・バグ・トラブル
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環境:		Linux(Fedoraでテスト)
TNTmips:	V7.0

現象:	ラスタを表示。[操作ツール]ボタンから「ラスタヒストグラム」
を選択。ジオツールボックスでラスタ上で矩形を描画。[ヒストグラムの
更新]ボタンを押すと、クラッシュする。

マイクロイメージ社にエラー報告しました: エラー番号=lth1038

対処法:	V6.9ではエラーは出ませんので、バグ修正まで、
RV6.9(2005 April 6)をダウンロードしてご使用ください。

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◆◇ お 願 い ◆◇
..................................................................

 異動があった場合は、ユーザ登録を再度お願いします。

..................................................................


4月は異動の季節です。

バージョンアップをご注文いただくと、マイクロイメージ社からユーザ
登録された方へ CDやドキュメント類が直送されます。その際、ユー
ザ登録された方が異動でいらっしゃらないと、荷物が米国に送り戻され
ます。

異動された場合は、お手数でも、後任の方の名前(部署名でも構いません)
で再度 ユーザ登録をし直してください。

登録用紙はこちらにあります。
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/register.htm

何卒よろしくお願いします。

..................................................................





今週の話題 / メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
	特にありませんでした

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
  info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 利用されています。




■■■■■■■ 現 在 の T N T m i p s の 価 格 ■■■■■■

現在の ver7.0 の価格は 

・TNTmips シングルライセンス 827,400円(送料・税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)

ご不明の点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみになります。


STEP5「テクニカルサポート」
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年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
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例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
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また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
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>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
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>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 50MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...





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