Subject: [ts-mag:00168] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 159号】
    Date: Fri, 16 Jul 2004 18:37:50 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2004/07/16
Keywords: OpenGIS,TNTmips,IslandDelete,HoleFilling,Prj,BufferZone


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第159号「  島 だ っ た り、  湖 だ っ た り . . .  」
#################################################################
                       株式会社 オープンGIS





もっとターゲットを限定したい!!


画像データを扱う際に、よく用います「空間フィルタ」を使うと、例えば
多数決処理や、例えば平均化などでノイズを除去したり値の分布を滑らか
にしたりすることができます。しかし、既存のメニューの中から思い通り
のフィルタをなかなか見つけることができない...

例えば、ポツンと孤立した島状のピクセルがあったとき(陸を1、海を0)
そのピクセルを0にしてしまう、つまり島を海と置き換えてしまう処理が
あります。

000   000
010 → 000
000   000


一方で、逆に陸地の中にポツンと孤立した湖のようなピクセル(陸を1、
海を0)があったとしますと、これを1と置き換える処理もあり得ます。

111   111
101 → 111
111   111


島のピクセルも湖のピクセルも、両方同時に消したい場合は、多数決処理
や膨張(Dilation)、収縮(Erosion)フィルタを組み合わせることで可能です
が、今回は「島ピクセルだけを消したい!」とか、「湖ピクセルだけを消
したい!」という、ターゲットを限定した処理の話。 なかなか既存のメ
ニューだけでは対応しきれません。

どうしてもSMLの力を借りる必要が出てきます。 かといって一から
作り始めると大変ですので、参考となるSMLを試しに作ってみました。

そんなわけで、今週は「島ピクセルと湖ピクセルをそれぞれ削除」して
みましょう!


●


まずは、島ピクセルを削除するSMLをダウンロードします。
▽▽ IslandDelete_v10.sml [80KB] ▽▽
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/IslandDelete_v10.sml


今回処理が可能なのは、数字が0と1しかないバイナリラスタと呼ばれる
ものです。  試しにこのような白黒サンプルデータを作ってみました。
([解析処理]>[ラスタ]>[フィルタ]>[しきい値...]で簡単に作れます)

 


あとはSMLを実行してこのような島状ピクセルを除去してみましょう。

 


こういった特定のパターンだけを認識して置き換えるような処理の事を
「論理フィルタ」と呼びます。


●


次に、SMLの具体的な操作方法をご紹介いたしましょう。

▽メインメニューから[解析処理]>[SML]>[実行...]を選択。

 <ファイルを選択> ウィンドウにてダウンロードしたSMLを選択し [OK]。

 <孤立ピクセル除去SML ver1.0> ウィンドウが登場。

▽左端の歯車ボタンを押すとプログラムが起動。

 


▽読み込むバイナリラスタを選択します。

 


▽除去されたラスタの保存先を指定します。

 


■これで処理が行われ、結果が保存されます!


処理後はすぐに、出力結果を確認!
元々のデータはこんな感じでしたが...

 


島状ピクセルを除去するとこんな感じに白い粒つぶピクセルが除去され
ていますね。

 



●


今までは、孤立したピクセルがターゲットでしたが、今度は逆に、1ピ
クセルだけ抜け落ちた穴を埋める処理を行ってみましょう。1を陸、0
を海とすると、湖ピクセルを削除するSMLというわけです。

ダウンロードはこちらから。
▽▽ sml_basic_raster/HoleFilling_v10.sml [80KB] ▽▽
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/HoleFilling_v10.sml

操作手順は、先ほどとまったく同じですので省略しまして、一気に結果
を確認してみましょう。

▽元々のデータはこんな感じ

 


▽穴を埋めるとこんな感じ

 


●


一体、このSMLでどんなメリットがあるの? と思われるかもしれません。
確かに、処理自体はごま塩ピクセルを除去するだけの単純なSMLで、そ
の後の応用性があまり想像できません。またノイズ除去という目的であれ
ば既存のメニューによる空間フィルタで十分です。ただ、いきなりある目
的のために処理を行うと、その中で用いられている部分的な処理だけを行
いたくてもどうしようもありません。 一度に処理する事も必要ですが、
たまには1つのパターンだけを抽出してじっくり考えてみるのもよいかと
思います。

こういった小さなプロセスの組み合わせが、実は思わぬ効果を生み出す場
合だってあるのですから。







今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" データはUTMだけど、19座標系として表示したい!!
"
"
" 表示機能での投影法や測地系を、そのときだけ変更したい場合があり
" ます。かといって、データ自体の投影法や測地系を変更する面倒な方
" 法は使いたくない!
"
" そんなときは、<グループコントロール> ウィンドウのメニューより、
" [グループ]>[投影法/切り抜き表示...] を選択しましょう。
"
"  
"
"
" <グループ設定> ウィンドウが現れますが、上の自動マッチング:欄 が、
" デフォルトでは [最初に追加したラスタか、最初に追加したレイヤ]
" になっています。これをまずは [なし] に切り替えます。
"
"  
"
"
" あとは [投影法...] ボタンを押して、お好きな座標系や測地系に変更
" してみてください。
"
"  
"
"
" これで、<表示ウィンドウ> 上では、UTM表示から19座標系表示
" など自由に変えられますね!
"
" (メルマガ第59号を改良)
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= VectorToBufferZone()関数のポイントバッファバグ修正【修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
= キーワードを更新しました!【OpenGIS検索サイト】
= http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
=
= SRTMのインポータ改良【SMLスクリプト】
= http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm
=
= 第153号「モザイクのプロになろう!!」【メルマガ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/kako_mail/mail_mag_153.htm
=
=================================================================




■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■

昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■





バグ・トラブル情報
???
???
??? できるはずのベクタオブジェクトが作成されない...
???
???
??? 独自スクリプトであるSMLでバッファリングを行う際に、ポイン
??? トデータからのバッファ処理をすると、ベクタオブジェクトが出力
??? されない現象が修正されました。
???
??? この際に使用する関数は VectorToBufferZone() です。
???
??? ver6.6 では、問題なく生成されますが、ver6.8, 6.9 では、正しく
??? 処理されず、結果を保存するベクタオブジェクト自体が出力されま
??? せんでした。
???
???
???
??? もし、このような症状が現れましたら、大変お手数ですがこちらの
??? サイトより最新の修正パッチ(14Jul04以降)をダウンロードし、当て
??? ていただけますでしょうか。
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/
???
??? また、詳しい修正パッチの当て方につきましてはこちらのサイトを
??? ご参照ください。
??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm
???
??? お手数おかけいたしますがよろしくお願いいたします。
???
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 今週は特にありませんでした。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。






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円高になりましたので、ver6.9 リリースを機に、価格を改定!!
全体的に安くなりました!

・TNTmips シングルライセンス 827,400円(税込)
・年間バージョンアップ(2回分) 136,500円(税込)
・年間テクニカルサポート 94,500円(税込)


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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困ったときの問題解決フローチャート

▼STEP1「ウェブサイトで検索してみる」
▼STEP2「ウェブサイトにある情報を眺めてみる」
▼STEP3「ドキュメントを読んでみる」
▼STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
▼STEP5「テクニカルサポート」



STEP1 「ウェブ検索テクニック」
 ▽オープンGIS検索システム
 http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
 ▽メールマガジン検索システム
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/namazu.cgi
 ▽マイクロイメージ検索サイト
 http://www.microimages.com/search/
 ▽Google 検索
 http://www.google.co.jp/
 とくに、and検索(キーワードの間に空白)、not検索(キーワードの前に
 - や not を入れる)、とは検索(キーワードの後ろに "とは" をつける)
 を使いこなすと、便利です!


STEP2 「ウェブサイトの有用な情報源」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「基本操作」
 http://www.opengis.co.jp/htm/basic/title.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メニュー解説(Flash)」
 http://www.opengis.co.jp/flash/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「SML スクリプトの解説」
 http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「作業で必要となる情報を集約したポスター類」
 http://www.opengis.co.jp/htm/gallery/index.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「メルマガバックナンバー」
 http://www.opengis.co.jp/mail_mag/index.htm [日本語]


STEP3 「ドキュメントを読んでみる」
 ▽オープンGIS ウェブサイト「その他ドキュメント一覧ページ」
 http://www.opengis.co.jp/htm/documents.htm [日本語]
 ▽オープンGIS ウェブサイト「チュートリアルテキスト&リモセンテキスト」
 http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm [日本語]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「ワンポイントテクニック集」
 http://www.microimages.com/didyouknow/
 ▽マイクロイメージウェブサイト「TNT入門(Getting Started)」
 http://www.opengis.co.jp/htm/getstart/getstart.htm [日本語]
 http://www.microimages.com/getstart/ [英文]
 ▽マイクロイメージウェブサイト「リファレンスマニュアル」
 http://www.microimages.com/refman/


STEP4「メーリングリストへ聞いてみる」
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。


STEP5「テクニカルサポート」
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このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。



また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が半年過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも TEL/e-mail/FAX で対応。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその6:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその8:メルマガ・バックナンバー・サイトも利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...



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サービスを提供していきたいと考えております。

よろしくお願いいたします。




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