Subject: [ts-mag:00148] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 140号】
    Date: Tue, 09 Mar 2004 00:58:28 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users       2004/03/5
Keywords: OpenGIS,TNTmips,LeftPoly,RightPoly,Query,HoleFill,MacOSX


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第140号「  私 は 誰 に 挟 ま れ て い る の ? ? ?  」
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                       株式会社 オープンGIS




ラインには向きがあります。

普段あまり意識しませんが、TNTmips が扱うすべてのラインには、方向性
があるのです。つまり、スタート地点があってゴール地点があります。
単純なことかもしれませんが、この事を知っておくと、実はぐぐぐっと
GISの世界が広がります。


●


例えば、こんな都道府県ベクタデータがあったとしましょう。




各ポリゴンには、それぞれ「東京都」とか「埼玉県」といった属性が付い
ています。属性テーブルを見てみるとこのような状態です。




今回は特に、県境としてのラインについて考えてみましょう。TNTmips
は、トポロジを持つベクタデータですので、ポリゴンの境界線はポリゴン
の縁を意味している共に、ポリゴンとポリゴンに挟まれたラインとしても
存在しています。長野県と山梨県の境にも、群馬県と栃木県の境にも、そ
れぞれラインがあるのです。

そこで逆にこんな事ができないでしょうか?

「岩手県と秋田県の境界ラインをGISで調べる」

ポリゴンに付いている属性を元に、TNTmips の機能としてラインを検索
する方法。その方法についてご紹介しましょう。


●


具体的な操作方法は、[表示]>[空間データ...] 機能にて、データを表示
している状態からご紹介いたします。

▽<グル−プコントロ−ル> ウィンドウの [詳細を表示] マークを下に向
 け、ベクタレイヤが持つ、ポイントやラインやポリゴン要素を表示。

▽ライン要素行の [選択/非選択] ボタンをクリックして [クエリによる
 選択...] を選択。

 <クエリによる選択> ウィンドウが現れましたら、次のようなスクリプ
 トを書きます。

 


 if (Vect.poly[Internal.RightPoly].POLY.KANJI == "秋田県"
  and  Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.KANJI == "岩手県"){
  return(1);
 }else{
  return(0);
 }

 ここで簡単にスクリプトを解説しますと、ラインの進行方向右側にある
 ポリゴンの属性が "秋田県" で、ラインの進行方向左側にあるポリゴン
 の属性が "岩手県" の場合は、ラインを選択[return(1)] しなさい。そ
 れ以外は ラインはそのまま[return(0)] にしなさい。というスクリプト
 です。フィールドを入力するときは [挿入]>[フィールド...] メニュー
 を使うと便利です。

 


 


■あとは、[適用] ボタンを押すと、指定した条件で、すべてのラインの
 中から検索をしてくれます。

 


確かに、秋田県と岩手県の境界ラインだけが選択できました!


●


ここまでは、思い通りに選択されましたね。

ところが、ほとんど同じ条件で、このように変更するとどうなると思い
ますか? 単純に、先ほどのスクリプトの LeftPoly という表記と
RightPoly を入れ替えただけです。

 if (Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.KANJI == "秋田県"
  and  Vect.poly[Internal.RightPoly].POLY.KANJI == "岩手県"){
     return(1);
 }else{
     return(0);
 }

これで、[適用] ボタンを押すと... 何故か1本もみつからないんです。




なぜでしょうか?
そうです。ラインには向きがあります。ラインの進行方向に向かって
右側のポリゴンの条件と左側のポリゴンの条件が一致するのは、どち
らか一方向だけです。そのため、ラインの向きを考えないで条件式を
作成すると、どちらか一方しか考慮していない状況が生まれてしまい
ます。さあ、この場合どうしたら良いでしょうか?


●


そこで、最終的にこのような条件式にしてみました。「両方向の条件を
併記して、どちらかでも条件が一致すればラインを選択させる」という
方法です。具体的にスクリプトで記述しますとこのようになります。




if (
(Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.KANJI == "秋田県"
 and  Vect.poly[Internal.RightPoly].POLY.KANJI == "岩手県")
or
(Vect.poly[Internal.RightPoly].POLY.KANJI == "秋田県"
 and  Vect.poly[Internal.LeftPoly].POLY.KANJI == "岩手県")
){
        return(1);
}else{
        return(0);
}


そして、実行してみますと、はいこの通り!

 


しつこいようですが、「ラインには、向きがあります」。
そのことを意識しながら、右側のポリゴン、左側のポリゴンに気を配って
みると、まだまだ面白発想で条件検索が楽しめますよ。






今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" ラスタデータの穴埋めをしたい...
"
"
" 点々状のノイズを除去するのに便利なのが穴埋め処理。TNTmips には
" 大きく2つの穴埋め処理があります。
"
" (1)[解析処理]-[ラスタ]-[フィルタ]-[空間フィルタ...]
" <ラスタ空間ドメインフィルタ処理> ウィンドウで、 クラス:欄 を
" [ノイズの除去] に切り替え、タイプ:欄 を [モーダル(Modal)] に
" します。窓枠の大きさを決めて実行すれば、多数決処理によって穴
" 埋めが行われます。
"
" (2)[解析処理]>[ラスタ]>[解釈]>[自動分類...] による画像分類を
" 行った後でも、空間フィルタ と同様の多数決処理が可能です。
" <クラスのオペレーション> ウィンドウにて右下の [穴埋め処理] ボタ
" ンを押せば簡単に処理されますが、ラスタデータが上書きされてしま
" いますので、必ず元データを保存してから実行してくださいね。
"
" (プチテクニック第49号を改良)
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= ver7.0の「開発版」ダウンロード開始 【ver7.0 の開発版】
= http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/DV70.htm
=
= ver6.9の「リリースノート」公開 【ver6.9 の新機能】
= http://www.microimages.com/relnotes/v69/rel69.htm
=
= MacOSXの「Spatial Data Editor 起動しない」修正 【修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
=================================================================




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昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

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詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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バグ・トラブル情報
???
??? おまたせしました。
??? ようやく、MacOSX 版の修正パッチのオススメ版が出ました。
???
??? 修正パッチ(03mar04)にて
??? MacOSX でも ハイパーモジュールや、Spatial Data Editor などが
??? 起動するようになりました。
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/
???
??? ただ、まだいくつかのウィンドウサイズが、強制的に横長に戻って
??? しまう現象などが修正されておりません。またオススメの修正パッチ
??? がリリースされましたらご報告いたします。
???
??? お気づきの点などありましたら、お気軽にご指摘ください。
??? よろしくお願いいたします。
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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~
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