Subject: [ts-mag:00135] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 127号】
    Date: Sun, 30 Nov 2003 21:53:56 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2003/11/28
Keywords: OpenGIS,TNTmips,ColorConversion,SML,DirectUse,Keyword,XS


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第127号「  自 由 自 在 に 色 を 変 え る ! !  」
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                       株式会社 オープンGIS



色ってなんだろう... と考えることがあります。


もちろん、リモートセンシングを専門にされている方は、電磁波のうち
360nm から 760nm までの可視光域のなかで... と、きちんとした説明を
されるかと思いますが、一般的に「色」を他人に伝える場合、「水色」と
か「あずき色」とか色の名前を使いますね。 ただ「明るい茶色」とか、
「くすんだ黄土色」というように、言葉だけで伝えるには、どうしても
細かな表現があいまいになり限界がでてきます。どうしても「定量化」、
つまり数字に置き換えて色を表現する必要がでてきます。

そこで登場するのが、「色空間」。

何百、何千、何万と、それこそ無限にある色を、たった3つ(もしくは4つ)
の色の組み合わせによって効率よく説明しようとする方法で、よくカラー
ディスプレイや、プロジェクター、カラーポジフィルムで使用される RGB
色空間が有名です。例えば、RGB の赤(R)と緑(G)を100%ずつ混ぜ合わせる
ことで、黄色になるのです。
 一方で、絵の具や印刷インクなどでは、CMY 色空間(場合によっては黒を
含めて CMYK) も用いられますし、RGB や CMY のように、色空間の軸が同
じレベルではなく人間の目が色を捕らえる特徴を生かした、HIS 色空間に
すると、「色相(Hue)」「明度(Intensity)」「彩度(Saturation)」という
形で、色以外の明るさや鮮やかさを定量化したものもよく使用されます。


●


話をだんだんと TNTmips の話題へと移していきましょう。先ほどご紹介
した RGB や CMY(K) や HIS などを TNTmips で扱う場合は、R のラスタ、
G のラスタ、H のラスタ... という具合に、それぞれ必要な RGB の組み
合わせや、HIS の組み合わせを選んであげます。

RGB の各ラスタを 8bit(256通り)ずつに表現すると、全部で1670万色もの
色が表現できます。これがいわゆるフルカラー。しかし、フルカラー表示
を行うたびに、3つのデータファイルを選択/読み出すのは、非常に不便
ですね。そこで、TNTmips では、普段よく使用する JPEG 画像や、TIFF
画像と同じように、1つのデータ内に、RGB それぞれの情報を埋め込み、
フルカラー表現を行うこともできます。

話がややこしくなってきましたのでまとめますと、

☆TNTmips は、シングルラスタを RGB や CMYK や HIS という色空間に
 当てはめて、カラー合成することで、フルカラー表示がきます。

☆TNTmips は RGB 情報を1つのラスタデータに埋め込み、フルカラー
 表示を行うことができます。

このときの三原色埋め込みラスタのことをコンポジットラスタともいい
R:8bit G:8bit B:8bit として埋め込むと、24bit コンポジットカラー
ラスタ、R:3bit G:2bit B:3bit として埋め込むと、8bit コンポジット
カラーと呼ばれます。


●


話だけだと、あまり面白くありませんので、SML を使いながら、実演して
みましょう。

処理の内容としては
(1)まず、適当な TIFF 画像を読み込んで、24bit コンポジットラスタを
        作成します。
(2)コンポジットラスタ内の RGB 値をそれぞれシングルラスタとして分離
        して、ラスタR、ラスタG、ラスタBを作成します。
(3)シングルラスタである ラスタR、ラスタG、ラスタB を読み込んで、
        HIS 色空間に変換後、ラスタH、ラスタS、ラスタI を作成します。

▽この処理を実現する SML はこちらからダウンロードできます。
ConvertColor_TIF2RGBandHIS_v10.sml [0.1MB]
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/ConvertColor_TIF2RGBandHIS_v10.sml


では、SML の実行結果を確認してみましょう。

▽読み込む TIFF 画像はこんな色合いです(ファイル名の指定は各自で
SML の中を書き換えて調整してください)。




▽まずは、TIFF ファイルを読み込むことで、1つのラスタとして、24bit
コンポジットラスタを作成します。TNTmips で読み込むとこんな感じ。




▽コンポジットラスタを RGB 各ラスタに分離しても、やっぱり色合いは
同じですね。Controls ウィンドウの[Add Raster]ボタンから[Quick-Add
RGB...] を選択して、それぞれ RGB に対応するラスタを指定しています。




▽RGB 色空間で表現されていたデータを、HIS 色空間に変換して確認し
てみましょう。先ほどの RGB と同じように、Controls ウィンドウの[Add
Raster]ボタンから[Quick-Add HIS...] を選択して、それぞれ HIS に対
応するラスタを指定しています。





どれも、これも、最終的に表示される色合いはすべて同じですが、その
定量化の方法や、データの形式が異なります。必要に応じて使い分けら
れるよう、シングルラスタやコンポジットラスタの区別、色空間の区別
に慣れておくと良いかもしれません。

是非とも今回の SML をどんどん改良してみてください。

あ、そうそう、ほとんどの場合、各色空間の軸は 8bit(0〜255)で表現さ
れますが、色相のH だけは 0〜359の範囲となります点だけはご注意くだ
さい。8bit のままで出力すると、色合いがおかしくなりますよ。








今週の新プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" TIFF 画像を、一度に JPEG 画像に変換したい...
"
" 一見、TNTmips の処理とは関係なさそうな作業ですが、最近の TNTmips
" は、TIFF 画像を始め、ESRI のシェープファイルや、MapInfo の TAB
" 形式、ECW や MrSID、他にも最新の JPEG2000 ファイルを、独自の RVC
" 形式に変換することなく、直接扱うことができます(多くは ver6.6以降)。
"
" そこで、TNTmips の [Process]-[Import/Export...] 機能を用いて、
" ラスタから Jpeg 形式での出力を選択し、ラスタを、RVC 形式ではなく
" TIFF 画像を直接指定すると... これがあっさり出力されます。
"
" ●
"
" 読み込み TIFF ファイルの複数選択は [Add All] ボタンを、出力する
" Jpeg ファイルの自動ファイル名割り振りは [Auto-Name...] ボタンを
" 使うとこれまた便利です。
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
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=
= 検索キーワードを更新しました 【OpenGIS 検索システム】
= http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
=
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■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■

昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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バグ・トラブル情報
???
???
??? あれ、なんだか使えるフォントが少ない気がする...
???
???
??? TNTmips のメニューを、MSゴシックフォントに切り替えたい場合、
??? メインメニューから [Support]-[Setup]-[Font...] を選択して
??? Interface Font List Selection ウィンドウを表示します。ここで、
??? TrueType フォントの一覧が上に表示されるのですが、ver6.8 のパッチ
??? 版では、TrueType コレクション フォント ファイル(拡張子.TTC)の
??? TrueType フォントが一覧には表示されません。例えば、MSゴシック
??? (MS GOTHIC)は、この TTC フォントに相当しますので、一覧の中には
??? 現れてきません。
???
??? もし、どうしても、メニューのフォントを MS ゴシックにしたい場合
??? は、大変お手数ですが以下の xs.zip ファイルをダウンロード・解凍
??? して、TNTmips のインストールフォルダ(デフォルトは C:\Program
??? Files\MicroImages\TNT_68)内へ上書きコピーしてください。
???
??? Xs.exe [0.7MB]
??? http://www.opengis.co.jp/img/patch/data/Xs.zip
???
??? お手数おかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
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~ 今週はとくにありませんでした。
~
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・年間バージョンアップ(2回分) 140,000円(税別)
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普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
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