Subject: [ts-mag:00110] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 102号】
    Date: Fri, 06 Jun 2003 15:35:46 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users        2003/6/7
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Raster to XY-RASTERs,River Level,PV,DLG


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第102号「   ピ ク セ ル の 座 標 を ピ ク セ ル へ . . .    」
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                       株式会社 オープンGIS






ラスタデータというと、衛星画像や、標高データ(DEM)、それに土地利用
データといったものを想像しますが、中には、こんな変り種もあります。

それは「座標ラスタ」。


ベクタデータや CAD データの場合は、それぞれを構成している中間点な
どが X,Y,(Z) の座標値を持っていますので、あまり意識をしませんが、
ラスタの場合は、数字の羅列と、いくつかの代表点の座標しか与えられ
ていません。
 どこか、任意の場所の XY 座標を求めたいとした場合は、ちょっとし
た作業が必要ですし、ラスタデータを構成している、一つ一つのピクセ
ルすべての座標値を知りたいとしても、すぐにその情報を引き出すには
かなりのテクニックが必要です。


それならば、座標の値そのものをピクセルの持つ値(DN値)に置き換えて
しまえば衛星画像や DEM と同じように、ラスタとして扱えます。もちろ
ん、ラスタにすることで、2つの座標値を同時には持てませんので(実は
TNTmips は、複数の値をテーブルとして組み込むことができますが...)、
それぞれ、X座標としてのラスタ、Y座標としてのラスタを作ればよい
のでは、という発想になります。


●


というわけで、早速 TNTmips で実行可能な SML スクリプトを作ってみ
ました。

座標ラスタ変換 SML はこちらからダウンロードしてください。
raster2XY_v10.sml [0.1MB]
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/raster2XY_v10.sml

この SML を実行することで、簡単にXY座標ラスタを作成することが
できます。


アルゴリズムに興味のある方のために、ちょっとだけ御紹介しますと、
TNTmips 独自の ObjectToMap 関数を用いまして、任意のピクセル座標
値から、対応する実XY座標値を求めます。
 この処理を、すべてのピクセルに対して行っています。

ObjectToMap 関数の使用例:
 ObjectToMap(RASTER, col - 0.5 , lin - 0.5 , GEOREF, x, y);

ピクセル中心の座標を求めるために、0.5 ずつ引いている点に、ご注目
ください。


●


それでは、具体的な SML の使用方法をご紹介しましょう。

▽まず、メインメニューより Process/SML/Run... を実行します。




▽ダウンロードしました、raster2XY_v10.sml ファイルを選択して OK。




▽左端の歯車ボタンを押すと処理が始まります。




▽Welcome ウィンドウが現れましたら、OK ボタンをクリック。




▽最初に、参照用ラスタを聞いてきますので、衛星画像や DEM など、
座標情報を持っている(ジオリファレンス済み)のラスタを選択してくだ
さい。得られるラスタのライン数とカラム数は、このときに選択しまし
たラスタとまったく同じになります(bit 数だけは 32bit-Float 固定)。




▽次に Select Subobject ウィンドウが現れますが、ここではラスタが
持っています座標情報(ジオリファレンス)を選択して OK ボタンを押します。




▽X座標として出力されるラスタ(XR) の名前を聞いてきますので、右上
の New File ボタンや New Object ボタンを押しまして、お好きな名前
を入力しましょう。




▽同様に、Y座標値ラスタ(YR) の名前も入力します。これで変換処理が
始まります。




■処理が終わりますと、このような「終わりました」メッセージが現れ
ますので、OK ボタンを押して、早速結果を見てみましょう。







X座標ラスタは、当然X方向(東方向)に進むにつれ値が大きくなります
ので、グレースケールで表現すると白くなっていきます。




同じように見ると、Y座標ラスタは、北方向へ進むにつれ白くなってい
るのがわかりますね。




そして、値はこのように 32-bit の浮動小数点として出力されます。




●


え、このラスタがどんなことに使えるかって?

それは、皆さまがお考えください。


例えば、あんなことや、こんなこと...

緯度経度など、座標の値で分布を規定されているものって、
結構たくさんありますよね。








今週の新プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" View ウィンドウに凡例を表示したい...
"
" あ、でもやっぱり邪魔だから消したい...
"
"
" 普段、凡例が表示されていることもありますが、ときには、消えてい
" たりと、さまざまですね。この切り替えを行うのは、View ウィンド
" ウの LegendView/Show メニューです。
"
" 
"
" None が非表示、Left が左側、Right が右側。
"
" 右側にするとこんな感じになります。
"
" 
"
" 左側に慣れてしまうと、ちょっと違和感ありますね...
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= XY座標ラスタ作成 SML を公開しました  【スクリプト言語 SML解説】
= http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm
=
= 接谷面生成 SML を提供していただきました 【スクリプト言語 SML解説】
= http://www.opengis.co.jp/sml/sml_index.htm
=
= TNTPatch の 充て方 解説を更新しました【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm
=
= DLG インポート時の tntdisp エラー修正【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
=================================================================




■■■■■■ 今 年 も テ キ ス ト 販 売 中 !! ■■■■■■

昨年部数限定でご提供しました「リモートセンシングテキスト」の改訂版を
今年も作りました!! しかも、値段は安く、中身は濃くなりお買い得です!!

同時に、TNTlite の日本語解説セットも、オープンGIS 独自パッチや、
北海道地図さんの GISMAPTerrain サンプルデータと共にリリースしました。

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.opengis.co.jp/htm/info/book.htm

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バグ・トラブル情報
???
???
??? 環境省の自然環境GIS というデータがあります。
???
??? このデータは、植生や河川、国立公園といった、様々な自然環境の
??? 情報を GIS データ化したもので、DLG 形式と Arc-Shape 形式で提
??? 供されています。
???
??? TNTmips では、DLG 形式も Shape 形式もインポートできますので、
??? これらのデータを利用することが可能ですが、TNTmips ver6.8 では
??? 読み込む途中で tntdisp.exe エラーが発生して、処理が止まって
??? しまう場合があります。
???
??? そんなときは、大変お手数ですが、マイクロイメージ社の以下のサ
??? イトより 2003年6月4日以降のパッチをダウンロードして、充てて
??? いただけますでしょうか。
??? http://www.microimages.com/freestuf/tntpatch/
???
??? 詳しい、パッチの充て方につきましては、こちらのサイトをご参考
??? ください。
??? http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
???
??? また ver6.5/6.6/6.7 での DLG 形式インポートは、属性の読み取り
??? に問題がありますので、必ず ver6.4 もしくは、6.8 以降をご利用
??? ください。
???
??? お手数お掛けいたしますが、よろしくお願いいたします。
???
???
???
???





今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~
~ ユーザーさまより、環境省の自然環境GIS 第二版 CD-ROM の DLG 形式
~ データをインポートする際に、「エラーが発生する」とのご報告をい
~ ただきました。(詳しい内容に付きましては、上記の「バグ・トラブル
~ 情報」をご覧ください)
~
~
~ 早急に、バグチェックを行いまして、すぐに修正されましたが、作業
~ 中などでお気づきの点などありましたら、是非ともご報告をお願いい
~ たします。できる限り早く修正されるよう全力でバグをつぶしていき
~ ます。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。





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・TNTmips シングルライセンス 840,000円(税別・送料別)
・年間バージョンアップ(2回分) 140,000円(税別)
・年間テクニカルサポート 90,000円(税別)


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
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>サービスその2:TNTmips に関するどんな質問にも電話/電子メール/FAX で対応します。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:週に1回メールマガジンを配信します。
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>サービスその7:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
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>サービスその9:現在計画中です...



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