Subject: [ts-mag:00075] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 69号】
    Date: Fri, 11 Oct 2002 19:58:33 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2002/10/11
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Region,Cut&Paste,Full Histgram,IMAGINE


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第69号「  リ ー ジ ョ ン っ て い っ た い 何 者 ?  」
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                       株式会社 オープンGIS




リージョンコードとか
リージョンフリーとはよく聞くけれど、
TNTmips でのリージョンって何?


一言でいえば「ラスタ切り出し用ポリゴン」のことです。

いきなり唐突にそんなことを言われても
なんのことかさっぱりわかりませんね...(笑)

ひとまずは「どうもポリゴンらしい」とだけ
覚えていただければよいかと思います。

リージョンはポリゴンである!! と...


今週はこのわかりにくい「リージョン」についてまとめてみました。


●


一口に GIS データといっても
様々なものがあります。

ラスタだったり、ベクタだったり、はたまた CAD データや TIN データ、
データベースまで、空間情報を含めたデジタルデータをまとめて、GIS
データと呼んでいます。「リージョン」もまた、そんな GIS データの
ひとつです。

どのようなときに使うのかといいますと、最大のメリットはラスターの
切り出し(Extract)時にてその効果を発揮します。


●


まずは、簡単なリージョンを作成してみましょう。

例えば、Display 機能にて何か衛星画像を表示していたとします。
画面上には、Group Controls ウィンドウと Group View ウィンドウのペア
が並んでいる状態です。

▽ここで、画像を表示している Group View ウィンドウのメニューより
Tools/GeoToolbox を選択すると、新しく GeoToolsbox が登場します。

▽ウィンドウ内の Region タブへ移動して、横一列に並ぶボタンの中から
Polygon ボタンを押し込みます。

▽マウスカーソルが鉛筆マークに変わりますので、Group View ウィンドウ
の上で、好きな形のポリゴンを作成して右クリックしてください。

▽するとメニューが現れますので、Add as Region を選択します。

▽いかがでしょうか、GeoToolbox ウィンドウの Region タブ内に、
なにやら1行 Polygon という名前が追加されましたね。
これが今作成しましたリージョンデータの名前です。

□最後に、GeoToolbox ウィンドウの左端に縦に並ぶボタンの中から、
Save As を選択しますと、見覚えのある Select Object ウィンドウが現れ
ますので、保存しておきましょう。


●


いかがですか。

出来上がったものは、ベクタデータのポリゴンや、CAD データのポリゴン
とほとんど同じものにみえますね。

▽次に、今作成したリージョンのほかに、もう一つリージョンを作ってみま
しょう。一度、GeoTools ウィンドウの右上のほうにある、Clear ボタン
(赤い×ボタン)を押して、先ほどとまったく同じ作業をしてみましょう。
これで、Region タブ内には2つのリージョン名が並びました。

▽今度は左側にある Combine ボタンを押して Source と Operator 枠内に
2つのリージョンを黒く選択します。

□選択できましたら Union ボタンを押しこみ、左下の Combine ボタンを
クリックすると、2つのリージョンが合体して大きなポリゴンができあがり
ます。この大きなポリゴンがひとつのリージョンと扱われます。
もしリージョン同士が接していなければ、2つのポリゴンが存在するひと
つのリージョンとなります。


●


だんだんわかりにくくなってきましたね。
いままでの作業をふまえて、リージョンとはどんなものかをまとめてみます。

 ・リージョンは、ポリゴンで構成される
        (ラインやポイントとしてのリージョンはありえない)。

 ・1つのリージョンの中にポリゴン同士がオーバーラップすることはない
        (つながるか、切り取られるかしか選択できない)

 ・属性テーブルを与えることはできない
        (これは実演できませんが、そういうものだと思ってください)



そしてメリットはなんなのか?と言われますと、
次の3点かと思います。

 ・Group View ウィンドウ上で手軽に作成できる(処理が軽い)
 ・つなげる/切り取るが簡単に行える
 ・ラスターを切り出すときに、複数ポリゴンを一括して扱える


処理が簡単である点はさておきまして、最後の「複数ポリゴンを一括して
扱える」という点について、詳しくご説明いたしましょう。

メインメニューから Process/Raster/Extract 機能を用いますと、
ラスターの切り出しを行えますが、切り出す範囲は、座標値であったり、
ベクタデータであったり、いろいろな情報から任意の場所を切り出すこと
ができますが、その選択肢の一つとしてリージョンも選べます。


別にわざわざリージョンを使わなくても、ベクタポリゴンで切り出せば
いいのではないの? と、疑問がわかれる方もいらっしゃるかと思いますが、

仮に、ベクタデータのポリゴンによってラスタデータの切り出しを行った
としますと、出力されるラスタは、1枚のラスタではなく、ポリゴンの数
だけ出力されます。例えば、北海道・本州・四国・九州の合計4ポリゴン
で構成されている日本海岸線ベクタデータでラスタデータを切り出すと、
出力ラスタは、北海道ラスタ、本州ラスタ、四国ラスタ、それに九州ラス
タの4ラスタとなってしまうのです。

これでは、不便なことが多いですね。
日本全域のラスタが必要な場合があります。


そこでリージョンの登場です。

リージョンの場合、複数ポリゴンを一まとめに扱えますので、出力ラスタ
も1枚。北海道、本州、四国、九州のそれぞれ陸地の部分だけが切り出さ
れて一つの大きなラスタを出力してくれるのです。

通常イメージするラスタの切り出しは、ベクタデータを用いるのではなく
リージョンを使ったほうがピッタリくるわけです。


●


最後に、リージョンとベクタデータの相互変換方法についてご紹介します。
(残念ながら、Process/Covert 機能の中にはありませんので、非常に
 わかりづらい方法です。現在マイクロイメージ社へ機能要望中です)



【 リージョン → ベクタ変換 】

▽メインメニューより Edit/Spatial Data Editor を起動して、同じ場所
のデータを開きます。

▽Spatial Data Editor ウィンドウメニューより File/New/Vector を選
択し、New Object Values ウィンドウもOKボタンを押します。

▽次に、横長 Vector Tools ウィンドウの Add Element 枠内にある
Add Region ボタンをクリックして Region Edit Controls ウィンドウを
表示します。

▽左上の小さな Add ボタンを押し、変換したい Region を呼び出しましょう。

▽呼び出させましたら、選択して今度は下にある大きな Add ボタンをク
リックします。これでリージョンがベクタデータとして入力されました。

□あとは、Spatial Data Editor ウィンドウに戻りまして File/Save As...
メニューより保存すれば完了です。




【 ベクタ → リージョン変換 】

▽やはりメインメニューより Edit/Spatial Data Editor を起動して、
変換するベクタデータを開きます。

▽Spatial Data Editor ウィンドウ内の Show Details(青い矢印)ボタンを
クリックして向きを下に変えます。するとポイントやラインやポリゴンと
いった、ベクタデータの要素が一覧で現れます。

▽今度は Group View ウィンドウへ移りまして、上に並んでいるボタンの
中から、Select ボタンを押し込み、表示しているポリゴンの中から、
変換したいポリゴンを選択します(複数個も選択可能です)。

▽再び、Spatial Data Editor ウィンドウに戻ってきまして、ポリゴンの
行の右端に Create Polygon というボタンをクリックしましょう。
メニューが現れますので Selected Polygon...を選択すると、ポリゴンが
リージョンに変換されます。

□試しに GeoToolbox ウィンドウを開いて Region タブの中を見てみると
確かに、新しいリージョンが生成されいているのがわかると思います。



いかがですか。
実は、まだまだリージョンは奥が深いのですが、
その活用方法についてはまたメルマガにてご紹介したいと思います。
( 早く知りたい!! という方は Getting Started の
 「Interactive Region Analysis」をオススメします)


ベクタのようでベクタでない、
CADのようでCADでもない...

お絵かき感覚のリージョンポリゴンが、意外に役に立つんです。







今週の過去プチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" TNTmips は、X-Window システムを利用していますので、
" ver6.4 までは、多くのWindows ソフトウェアのように文字などを
" 気軽にカットアンドペーストできませんでした。
"
" しかし、ver6.5 以降はできるんです(但し Windows のみ)。
" ver6.6 からは日本語文字もきちんと対応。
"
" 但し、ショートカットコマンドがちょっと特殊です
"
"            コピー /  カット  / ペースト
" Windows: Ctrl+C   / Ctrl+X   / Ctrl+V
" TNTmips: Ctrl+Ins / Shit+Del / Shift+Ins
"
" 覚えづらいときは、マウスで右クリックするとメニューが現れますよ。
"
"
""""  隔 週 で 新 / 過 去 テ ク ニ ッ ク を 交 互 に 発 信  """"




New Things 最新情報
=================================================================
=
= フローティングライセンス使用時に「表示範囲が狭くなるバグ」が
= 修正されました。【TNT 修正パッチ】
= http://www.opengis.co.jp/htm/patch/patch.htm#THIRD
=
=================================================================




バグ・トラブル情報
???
???
??? ラスターのインポートエクスポートがらみの話題を2つ。
???
??? [その1]
???
??? 先週のメーリングリストで話題になっていました、衝撃の
??? 「作成した DEM を出力すると、何故か値が変化している」現象です
??? が、検証・確認したところ「値が変化している」ことではく、ヒスト
??? グラムの情報が間引きされていて「値が変わっているように見えた」
??? という現象でした。きちんと報告内容を理解していない僕の誤解によ
??? るものでしたので、不安を感じてしまったみなさまに大変申し訳なく、
??? 反省しております。
???
??? ですので、「値は変化していません」のでご安心ください。
???
??? ヒストグラムを再構築する場合は、
??? Process/Raster/Utilities/Compute Full Histgrams 機能をご利用
??? ください。
???
??? また、Null 値設定だけを変更した場合は、再構築機能にて実行でき
??? ませんので、その場合は、こちらの SML をご利用ください。
??? http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/histgram_v11.sml
???
???
??? ●
???
??? [その2]
???
??? ERDAS IMAGINE にて 8bit 未満のビット数ラスタをエクスポートする際は
??? ご注意ください。
???
??? IMG 形式の場合、1bit 2bit 4bit データをインポートすると、ジグザグ
??? に画像が乱れる現象が確認されました。
???
??? お手数ですが、IMG 形式データを TNTmips でインポートする際は、IMAGINE
??? 側で 8bit 以上のビット数を持つラスタとして IMG ファイルを作成して下
??? さい。
???
??? せっかく圧縮したのに、大変申し訳ありませんが、
??? よろしくお願いいたします。
???
???
???
???




今週の話題 on メーリングリスト
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~ 今週はとくにありませんでした。
~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。




☆☆☆ バ ー ジ ョ ン ア ッ プ が 年2回 と な り ま し た ☆☆☆

いままでの年3回バージョンアップから年2回に変更されました。
同時に、年間バージョンアップ契約も、140,000円で2回分となりました。

前倒しで購入されていた分に関しましては、3回としてカウントされます
が、今後申し込まれた方は、2回分としてカウントされます。

また、今まで新規購入の際に1回分のフリーアップグレード・サービスが
ありましたが、こちらのサービスもなくなりました。

新規購入された場合、そのバージョンのみの対応となります。


わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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■■■■■■■ 料 金 改 定 し ま し た ! ! ■■■■■■■

最近の円高に合わせまして、料金を改定を行いました。

今まで、日本語解説書・動作チェック・手数料などを含めまして、
1ドル = 150円(130円 + 20円) 換算で行っておりましたが、
1ドル = 140円(120円 + 20円) 換算へ変更いたしました。


例えば、TNTmips シングルライセンスの場合、

旧価格 900,000円 から 新価格 840,000円 となります。


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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############# このメールマガジンの配信について ################

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>サービスその8:サポート対応で FTP サイトを 20MB まで利用できます。
>サービスその9:現在計画中です...



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よろしくお願いいたします。




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