Subject: [ts-mag:00044] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 39号】
    Date: Fri, 15 Mar 2002 11:28:43 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users       2002/3/15
Keywords: OpenGIS,TNTmips,ShapeFile,Direct Use,Ctrol+R,Unattached


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第39号「  で き な い と 思 い 込 ん で お り ま し た  」
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                       株式会社 オープンGIS



突然ですが、大変失礼いたしました!!



先週、僕は大きな間違いをしてしまいました。

どんなことかと申しますと、このように断言してしまいました。
「ESRI シェープファイルに直接ライン追加や削除をすることはできない」
と...


その後いろいろと調べてみたところ、TNTmips でもシェープファイルを
直接エディットすることが実は可能であることがわかりました。

ただ、細かく説明いたしますとこれまた複雑です。

そこで、誤解が生じないよう改めて同じ話題をご提供させていただきます。
申し訳ありませんが、先週号の内容は誤りが含まれておりますので、一度
記憶から抹消したいただければ幸いです。


●


さて今週からメルマガを読まれた方は、いったい何の話かまったくわから
ないこととと思います。ですので少し話を元に戻しましょう。


TNTmips のデータフォーマットは RVC 形式といいます。

通常「プロジェクトファイル」などと呼びますが、この RVC ファイルの
中にラスタデータやベクタデータ、CAD データや TIN... といった各デー
タを格納できる、いわばフォルダ(ディレクトリ)のような役割を持った
ファイルだと思っていただければよろしいかと思います。

画像処理をされている方は「 HDF 形式に似た構造」というとわかりやす
いかもしれません。そうです、あのファイルの中にディレクトリ構造を
持つことが出来る形式です。

ラスタもベクタも CAD も、なんでもかんでもまとめて1ファイルに納め
てしまうという意味でしょうか... それぞれの頭文字をとって RVC 形式
と呼んでいるわけです。


つまり TNTmips での作業は、基本的にはこの RVC 形式のデータを使用
して行うのです。他形式データを使用する際は、インポート機能で一度
RVC ファイルへ変換する...  他形式データとして出力する場合は、
エクスポート機能で RVC ファイルから変換する...

何事も、RVC 形式ありきの世界でした。


●


ただ時代の流れはだんだんとインポート作業を行わずに、他形式ファイル
を直接操作できる方向へ変わってきております。

TNTmips も例外ではなく、GIS の世界で一般的な形式は RVC 形式に変換
せず、そのまま使えるよう機能拡張が行われております。


そこで、そのまま使えるとは具体的にどこまで出来るのか、ver6.6 が可
能な処理についてまとめてみたのが先週のメルマガでした。


●


TNTmips ver6.6 より本格的に追加された "直接使用(Direct Use)機能" は、

 ・ESRI シェープファイル(図形とテーブル)
 ・MapInfo の TAB ファイル(図形とテーブル)
 ・ER-Mapper の ECW ファイル(Enhanced Compressed Wavelet)
 ・Lizard Tech の MrSID ファイル(wavelet compressed)
 ・TIFF/GeoTIFF ファイル(全タイプ)

の5種類のデータフォーマットに対応しております。

TNT 製品 V6.60 新機能紹介はこちら...
http://www.opengis.co.jp/htm/verinfo/v660.htm



これらのファイルを "直接使用(Direct Use)" することで、あたかも RVC
ファイルを扱っているかのような操作環境が実現されているわけですが、
実際に RVC ファイルとまったく同じように使用できるかといいますとな
かなかそううまくはいかないようです。

どこまで RVC と同じ操作が可能で、どの処理で不可能か... この点につ
いて再度じっくりと調べてみました。


●


結論としては、TNTmips のすべての機能で使用することはできません。

各機能ごとについてまとめてみますと、



【 Display 機能 】: 表示に関しては、ほとんど RVC 形式と同じ操作
 が可能です。具体的には、コントラスト変更, 色の変更, ラインの太さ、
 印刷処理など...  注意点としまして、ESRI シェープ・MapInfo TAB
 ファイルはデータ構造が CAD ですので、TNTmips でも CAD データと
 して扱います。


【 Edit 機能 】: 編集作業では、RVC 形式と比べると、かなりの制限
 がありますので、直接使用のメリットがあまりないように思えます。
 具体的に可能な作業としては、ジオリファレンスを与えたり、リファレ
 ンス(背景画像)として使用したり、データベースの直接編集といった
 補助的な役割でしょうか。
  注意点としては、まずジオリファレンスの保存がされない場合があり
 ます。そして、"直接使用(Direct Use)機能" に対応している形式を、
 Spatial Data Editor で直接開いてエディットすることはできないと
 いう点もご注意ください。
  それでは先週とほとんど変わらないではないかと、思われるかもし
 れませんが、ここからの話題が今週のメインです。

 例外的に(ここが非常に混乱の元なのですが) 次の3種類の形式だけは、
 直接エディットが可能であることがわかりました。

  ・ESRI E00 ファイル <<< 直接編集、直接保存可能
  ・ESRI Coverage <<< 直接編集可能、直接保存できない
  ・ESRI シェープファイル <<< 直接編集可能、直接保存できない
 
 もちろん、この3種類のフォーマットは、"直接使用(Direct Use)機能"
 のフォーマットとズレがあります。データを開く方法も、それぞれ、
 Spatial Data Editor (メインメニューより Edit/Spatial Data...)を
 起動後に、メニューより

  File/Open External/ArcInfo E00
  File/Open External/ArcInfo Coverage
  File/Open External/ArcView ShapeFile

 を選択することで、Editor データが読み込まれます。あとは、通常の
 RVC ファイルと同様の処理が可能ですが、E00 以外は、直接保存がう
 まくいかないようです。この点につきましては、マイクロイメージ社
 へ確認しますが、ある程度編集しましたら、カット・アンド・ペースト
 機能で、新しいベクタレイヤへコピーするのが便利かと思います。
 
 
【 Process 機能 】: 処理によって直接使用できるできないが、大きく
 異なります。 とくに、データの種類、構造、ジオリファレンスのある
 なしが関わってきますので、まずは実際に試してみるのが一番かと思い
 ます。 大まかには、Convert, Export, 多くの Raster 解析処理, CAD 
 解析処理の Merge, Standard Atributes といった具体的な機能で、動
 作を確認しております。
  注意点としまして Geoformula や その他の一部の解析機能で使用で
 きないこと、CAD データを直接ベクタ解析には使用できないことなどな
 ど細かな制限がありますことをご承知ください。





わかりにくい説明で、混乱ばかりさせてしまって申し訳ありませんが、
具体的に可能な作業をいくつかあげてみましょう。例えば...
 
 ◇土地利用 tiff 画像データをそのまま ラスタ-ベクタ変換して土地
  利用ポリゴンを作成
 
 ◇E00 ファイルを直接開いて、ラインを追加し、E00 として直接保存
 
 ◇シェープファイルを背景にして新しいベクトルデータの作成
 
 ◇シェープファイルのデータベース(dbf)を直接変更する
 
 ◇tiff 画像から直接 Extract したり 画像分類 をする



逆にできない作業としては、例えば...
 
 ◆MapInfo TAB ファイルに直接ラインを追加したり、削除する
 
 ◆Goeformula で串刺し演算に MapInfo TAB ファイルを直接使用
 
といったことがあげられます。



いかがでしたでしょうか。
長々と、わかりにくい文章で大変失礼いたしました。

可能だ可能だと言いましても、その操作が簡単でないと話にならない部分
もあるかと思います。この点今後も改良要求をしていきながら、各 GIS 
データとの親和性を高めていかなければと思っております。

将来的に、ERDAS.IMG 形式, NITF2.x 形式, CADRG 形式 などへの対応も
予定しております。





今週のプチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
" 
" 今週はショートカットをひとつ...
" 
" Edit/Spatial Data にて ベクタデータを編集するときは、
" 頻繁に再描画を行います。
" 
" そんなときは Ctrl + R キー。
" 
" これでライン削除後のゴミもきれいになくなります。
" 
" 
" 残念ながら、Dipslay 機能では、このショートカットは使えません。
" 
" 
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""




New Things 最新情報
=================================================================
= 
= 今週は新しいページを作成できませんでした。
= 楽しみにしていただいた方、申し訳ありません。
= 
= 来週はがんばります!!
= 
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バグ・トラブル情報
??? 
??? 
??? ベクタデータを入力していると、入力したはずのラインが意図して
??? いない場所に生成される場合があります。
??? 
??? そんなときは、ベクタデータ中のゴミを取ってあげましょう。
??? 
??? どんなゴミかといいますと、例えば交差箇所などに発生する非常に
??? 小さなポリゴン(バブル)とか、2本のラインがほぼ平行に走ってい
??? るために出来てしまう細長いポリゴンなど。
??? 
??? これらのポリゴンを除去してあげるだけで、見違えるほど編集処理
??? が安定することがあります。なんだか不安定だな... と思われたと
??? きは少し、データを見返してみると良いかもしれません。
??? 
??? 
??? 
??? 




今週の話題 on メーリングリスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~ 
~ ポリゴンへの属性づけ作業を行っているときに、属性が付いていない
~ ポリゴンを探し出すのはどうやればよいのか?
~ 
~ という質問がありました。ユーザさまからは次のアイディアが...
~ 
~ 【アイディアその1】:「 属性の数を検索(クエリ)!! 」
~  Select by Query で SetNum(Table名[*]) < 1 と入力して検索をか
~  けると自動的に探し出します。
~  
~ 【アイディアその2】:「 属性のあるポリゴンを色づけ!! 」
~  属性テーブルの設定ウィンドウを Edit Definition メニューより、
~  起動して、対象フィールド を primary key に設定します。
~  あとは、ポリゴンの Style を By Attribute で色付けすれば、
~  見た目上も区別できます。
~  (ポイントは、デフォルト設定をラインだけにするそうです)
~ 
~ みなさん、いろいろと工夫されていらっしゃいます。
~ 2つとも非常に重要なテクニックです。
~ 
~ 
~ 最後にテクニカルサポートユーザーさまだけのとっておき技をひとつ。
~ 
~ 【アイディアその3】:「 テーブルボタンの上で右クリック!! 」
~  Group Controls ウィンドウで、Show Details ボタン、Show Tables
~  ボタンをそれぞれ押して、各テーブルのボタンを表示します。
~  あとは、ボタンの上で右クリックするとメニューが...
~  その中の Select All Unattached Elements を選択すると簡単です。
~ 
~ 
~ 作業によって、これら3つのアプローチとも使用することがあります
~ ので、それぞれ必要に応じて使い分けるのがよろしいかと思います。
~ 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 メーリングリストに参加されたい方は、
 info@opengis.co.jp までご連絡ください。
 弊社からの対応は バグ対応と、新製品告知のみですが、
 ユーザーさまの間での情報交換の場として
 多くの方に利用されています。




☆☆☆ バ ー ジ ョ ン ア ッ プ が 年2回 と な り ま し た ☆☆☆

いままでの年3回バージョンアップから年2回に変更されました。
同時に、年間バージョンアップ契約も、150,000円で2回分となりました。

前倒しで購入されていた分に関しましては、3回としてカウントされます
が、今後申し込まれた方は、2回分としてカウントされます。

また、今まで新規購入の際に1回分のフリーアップグレード・サービスが
ありましたが、こちらのサービスもなくなりました。

新規購入された場合、そのバージョンのみの対応となります。


わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




■■■■■■■ 料 金 改 定 し ま し た ! ! ■■■■■■■

最近の円安に合わせまして、料金を改定を行いました。

今まで、日本語解説書・動作チェック・手数料などを含めまして、
1ドル = 140円(120円 + 20円) 換算で行っておりましたが、
1ドル = 150円(130円 + 20円) 換算へ変更いたしました。


例えば、TNTmips シングルライセンスの場合、

旧価格 840,000円 から 新価格 900,000円 となります。


普段より、元価格にあまり上乗せしていない分、
円相場に応じて価格が変動いたしますことを
ご理解よろしくお願いいたします。

わからない点などありましたら、
info@opengis.co.jp までご連絡ください。

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############# このメールマガジンの配信について ################

このメールマガジンは、
年間テクニカル・サポートに加入されている、
ユーザーさまのみを対象としております。

基本的には、登録アカウント1つに対して
1ユーザーを配信対象としておりますが、
例えば、研究室の予算で加入された場合などは、
ご購入いただいた指導教官と、実際に TNTmips で作業を行う学生1名の、
計2ユーザーを対象として配信させていただきます。

1アカウントに対して合計3名以上の配信は行いません。
学生さん2名が同じくらい使用する場合は、
申し訳ありませんが、じゃんけん等で1人に決めてください。



また、テクニカル・サポートの期限を半年以上過ぎてしまった場合は、
メールマガジンの配信を停止させていただきます。

メールマガジンが配信されなくなった時は、
サポート期限が半年過ぎたとお考えください。



転勤、ドメイン変更などでメールアドレスが変わった場合は、
お手数ですが、弊社までご連絡ください。



テクニカル・サポート活用案内
>サービスその1:緊急なバグ情報はすぐにメール配信します。
>サービスその2:TNTmipsに関するどんな質問にも対応します。
>サービスその3:対応は最優先で行います。
>サービスその4:専用FAX質問用紙をお送りします。
>サービスその5:電話・電子メールも、もちろん最優先で対応いたします。
>サービスその6:週に1回メールマガジンを配信します。
>サービスその7:展示ブースへご来場の方には特製オリジナルグッズを進呈。
>サービスその8:現在計画中です...



「これで年間9万円は安い!!」と感じていただけるような
サービスを提供していきたいと考えております。

よろしくお願いいたします。




============ おことわり =============

※OpenGIS Mail Magazine for T.S.Uでは、
 TNTmipsに関わる新しいニュースを、
 毎週金曜日の朝に、皆さまへご提供させていただきます。

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