Subject: [ts-mag:00027] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 24号】
    Date: Fri, 23 Nov 2001 10:00:16 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users      2001/11/23
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Histogram,Sample,Pyramid,TNTserver


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第24号「 間 引 き さ れ て い た ヒ ス ト グ ラ ム 」
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                       株式会社 オープンGIS




今週は少しかたい話題から...


どんなソフトウェアも、目指す2つの方向性があります。

「機能」と「処理速度」


いろんなことを、すばやくこなすソフトウェアはどの世界でも重宝されま
すが、たとえ高機能だとしても処理が遅いとストレスがたまり、あまり使
いたいという気持ちがわきません。

しかし機能を追加するということは、よりシステムを複雑化し、計算処理
時間を増やしていきます。一見矛盾するように思えますがこれをカバーす
るのが、ハードウェアの進歩とアルゴリズムの進歩といえるでしょう。

とくに、どんなに高速な CPU を用いても、アルゴリズムを変えるだけで、
見違えるほど早くなったりします。



まさに、アイディア勝負なのです。

TNTmips では、例えばピラミッド・ラスタによる画面表示の高速化などが
それにあたるでしょう。

大きなラスタ画像を小さなウィンドウに表示する際に、毎回元画像からリ
サンプリングを行って、ウィンドウの幅に合わせ表示するといった処理を
行うと、画像表示だけで膨大な処理を必要とします。

そのために TNTmips では、あらかじめ間引きされた中・小サイズのラスタ
画像を何枚か作成しておくのです。小さなウィンドウで画像を表示すると
きには、小さな画像から少しだけサイズ変更を行って画面に表示する...

これが、ピラミッド・ラスタと呼ばれるアイディアで、聞くと実に簡単な
ことかもしれませんが、これを行うか行わないかでその表示速度は格段に
違うのです。



と、ここまでは良い点だけを強調していましたが、実は本題はここからな
のです。この間引きされた小さなラスタ画像、単に表示にのみ使用されて
いれば良かったのですが、先日とあるユーザーさまから指摘されて調べて
みたところ、このピラミッド・ラスタが、ヒストグラムの集計結果に影響
を与える場合があることに気づきました。


ピラミッド・ラスタが存在するときに、ヒストグラムを作成すると、
間引きされたヒストグラムが作成されてしまいます!!


どうすればチェックできるかといいますと、画像を表示しながらヒストグ
ラムを見てみますと、下に並んでいる統計値の中に、たまにこんな文字が
表示されます。
(コントロールウィンドウより Tools/Raster Histogram... を選択)

Sample: 64 by 64


通常はこれが現れません。

しかし、この " Sample: * by * " という文字が現れた場合は、ヒスト
グラムの元になっているデータがピラミッド・ラスタであることを意味す
るのです。

つまり、ヒストグラムの形は大まかには合っているものの、厳密には異な
り、さらに縦軸のピクセル数が 1/4096 (64 by 64 の場合) になっている
ため、他のラスタ画像と比較する場合に非常に面倒です。



確かに大きな画像を表示する際に、1ピクセルごとにヒストグラム計算を
行うことは、表示速度を極端に遅くする要因にもなりかねません。

処理をする側にとっては大まかなヒストグラムさえ求まれば、あとは少し
でも画像表示を早くすることも十分必要だと思います。しかし、ヒストグ
ラムの情報が格納されるヒストグラム・サブオブジェクトは、一度作成さ
れたならばその後更新されることがありません。

このあたりの処理をメニューに組み込んでもらえればよいのですが、今の
ところ「ヒストグラム更新機能」というものはありません。

というわけで、なければ作ろう!! と、早速作ってみました。
ヒストグラム更新 SML を。


ヒストグラム更新 SML
http://www.opengis.co.jp/sml/sml_basic/raster/histgram_v10.sml


SML を実行後、ヒストグラムを求めたいラスタを指定すると、
一度ピラミッド・ラスタとヒストグラム・サブオブジェクトを削除し、
再度ヒストグラム計算を行ってから、ピラミッド・ラスタを作成します。

途中、最小値最大値を求め、
更新された正しいヒストグラムの値をコンソール画面に出力します。

コンソール画面を右クリックすると、
SAVE メニューが出てきますので、
そのままテキストファイルとして出力してください。



また、SML ではなくメニュー操作だけで行う場合は、


【作業1】
メインメニューより Support/Maintenance/Project File... でラスタ内
にあるヒストグラム・サブオブジェクト( HISTOGRAM )と、ピラミッド・
ラスタ( R-name4,R-name8,R-name32,R-name128 など)を削除( DELETE )
します。


【作業2】
今度は、いつもどおりに、Display/Spatial Data... の New 2D Group で
先ほどのラスタを開きます。

すると、多少時間がかかりますが、ヒストグラムの再計算が行われて、
画面が表示されます。

これで、Tools/Raster Histogram を選択すると、元画像の数値によるヒ
ストグラムが表示されます。


【作業3】
ただ、このままでは表示が異常に遅くなりますので、最後に、
Process/Raster/Utilites/Pyramid... を選択して再度ピラミッド・ラスタ
を作成してあげましょう。



意外とヒストグラムの計算に時間がかかるのがわかると思います。
これが、膨大なラスタデータだった場合を想像すると、

処理を取るか、時間をとるか...


なかなか難しい選択かもしれません。

しかしどちらを選択しても、後で修正が可能となるようなケアを忘れては
いけないと思うのです。





今週のプチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 画像表示せずに直接ヒストグラム情報を得たい場合は、
" メインメニューより Support/Maintenance/Project Files を選択し、
" Project File Maintenance ウィンドウを表示します。
"
" 目的のラスタ・オブジェクトのさらに下にある、HISTOGRAM というサブ
" オブジェクトを選択(黒枠で囲む)しましょう。
"
" あとは、左下にある、Info ボタンをクリックすると、
" Object Information ウィンドウが現れて、ヒストグラムの情報が
" 一覧できます。
"
" 下の Save As ... ボタンを押せば、テキストファイルとして
" 出力できますので、EXCEL などへ持っていくことも可能です。
"
"
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""




New Things 最新情報
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= 今週は、更新がありませんでした。
= 来週がんばって2ページは更新します。
= 申し訳ありません。
=
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バグ・トラブル情報
???
???
??? TNTserver のインストールガイドに不備があり、
??? ハードウェアキー・ドライバのインストール作業を
??? 紹介しておりませんでした。
???
??? 早急に修正いたしますが、
??? 現在の WEB 解説では不十分ですので、
??? マイクロイメージ社のインストール情報をご覧ください。
??? よろしくお願いいたします。
???
??? 弊社 TNTserver インストールガイド
??? http://www.opengis.co.jp/htm/win_inst/tntserver_install.htm
???
??? TNTserver Installation Guidelines
??? http://www.microimages.com/tntserver/docadminT.htm#installation
???
???




今週の話題 on メーリングリスト
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