◆ALOS-2/PALSAR-2 サンプルデータの読み込みのご紹介(20 Feb 2015)

今回は、JAXA が公開している ALOS-2 / PALSAR-2 サンプルプロダクト を、昨年12月にリリースされた、PALSAR-2 対応版のGamma ソフトウエア を使って読み込んでみました。 ALOS-2 / PALSAR-2サンプルプロダクト: http://www.eorc.jaxa.jp/ALOS-2/doc/sam_jindex.htm このページは、昨年ガンマ社がPALSAR-2 のサポート作業をしていたとき のデータから内容が少し変わったようです。ガンマ社のレポート(下記リ ンク参照)の中では、富士山やブラジルのアマゾンのデータがありました が、今はないようです。 http://www.opengis.co.jp/htm/gamma/PALSAR2_Support_in_GAMMA_141130.pdf また、つい最近、干渉SARペアのサンプルデータ(L1.1のペア)が追加で 公開されました(ページの一番下)。これは、昨年12月位からPALSAR-2 サポート作業用に弊社からJAXA 様に要望してきたものです。(うちだけ の要望ではないかもしれませんが)。 (ご存知でしたか?) 初代 ALOS-1では、SAR(合成開口レーダ)以外に光学センセーも搭載され ていましたが、ALOS-2 では SAR のみでの観測になっています。国が防 災面での衛星情報の利用をいかに重視しているかの現れです。 今回は、一番上の"2014年8月29日 東京 高分解能3mモード (HH偏波)"の "L1.1 CEOS" と"L1.5 CEOS" データを読み込んでみました。 読み込みは、Windows 7(64bit)のCygwin 環境で行いました。 ■L1.1 CEOS (zip圧縮ファイル / 5.9 GB)の読み込み: 約6GB のzipファイルですが、ダウンロード時間は10分位でした。また、 ダウンロードにあたって、登録の必要はありません。 ▼ 解凍後、Cygwin を立ち上げます。 ▼ "par" と入れて、[Tab]キーを2回打つと、par で始まるコマンド一覧 が表示されます。 これらのコマンドが、各種センサーのSLC(Level 1.1)データを取り込む 際に使用するコマンドです。Sentinel-1 や KOMPSAT-5 など、最近サポ ートされた新センサーにも対応しています。 ▼ PALSAR-1 データも PALSAR-2 データも、"par_EORC_PALSAR"コマンド を使用します。まずは、コマンドだけを入れて、引数の使い方(Usage)を 見ます。 $ par_EORC_PALSAR ▼ 使用するデータファイルです。 (実際のコマンドの入力例) $ par_EORC_PALSAR LED-ALOS2014410740-140829-UBSL1.1__A 20140829.slc.par IMG-HH-ALOS2014410740-140829-UBSL1.1__A 20140829.slc 処理時間はパソコンの処理性能にもよりますが、使用したパソコン(CPU: i7-3770/3.4GHz, メモリー:8GB, Windows 7 Pro:64bit)では約10分でし た。 total output lines: 31203 samples/line: 25280 ISP image parameter file: 20140829.slc.par output reformatted raw data file: 20140829.slc real elapsed time (s): 651.489 ▼ 取り込んだSLC データを表示します。表示には、DISPプログラムを使 用します。 (DISPプログラム一覧) ▼ 画像タイプに応じて、多くの表示用コマンドがありますが、今回は、 disSLC コマンドを使ってみました。 (実際のコマンドの入力例) $ disSLC 20140829.slc 25280 1 1000 1 .5 0 (表示結果) (注意点) 1.上のコマンドの最後の引数"0"はデータタイプを表します。 data_type input SLC data type 0: FCOMPLEX.....4バイト浮動小数点 1: SCOMPLEX (default).....2バイト整数 使用するデータタイプが違うと(1:SCOMPLEX を使用)、砂嵐になりますの で注意が必要です。 2.また、ここでは画像の1行目から1000行目までを表示しています。全 体を表示すると、画像が大きすぎて、Segmentation fault エラーになる ようです(Linux 版でも同様)。 ■L1.5 CEOS (zip圧縮ファイル / 1.79 GB)の読み込み: このくらいのサイズですと、3,4分でダウンロードは終わります。 ▼ Level 1.5(MLI)のデータの取り込みは、"par_EORC_PALSAR_geo"コマ ンドを使用します。 (実際のコマンドの入力例) $ par_EORC_PALSAR_geo LED-ALOS2014410740-140829-UBSL1.5GUA 20140829.mli.par 20140829.dem.par IMG-HH-ALOS2014410740-140829-UBSL1.5GUA 20140829.mli ▼ MLIデータの表示には、dispwr を使います。 (実際のコマンドの入力例) $ dispwr 20140829.mli 29125 1 1000 1. .35 0 (表示例) ■L2.1 CEOS (zip圧縮ファイル / 1.79 GB)の読み込み: 既にオルソ化されたL1.1 データということで、par_EORC_PALSAR コマン ドを使って読み込みを試しましたが、エラーでした。使用方法も含めて、 今後ガンマ社で検討されると思います。 ■その他の情報 ・L1.5 については、GeoTIFF 形式での提供もあります。GeoTIFF 形式で の読み込みについては現在実装はありませんが今後検討される予定です。 ・PALSAR-1 については、ERSDAC(現在、J-spacesystems) 形式のLevel 1.1(SLC)データ専用の読み込みコマンドがありましたが (par_ERSDAC_PALSAR)、PALSAR-2 については対応はないようです。 今回のテストは以上です。 ・・・・・ <ALOS-2/PALSAR-2 データの配布について> ALOS-2 データは、株式会社パスコ殿と一般財団法人リモート・センシン グ技術センター(RESTEC)殿から、2014年11月25 日より一般向けに配布、 販売が開始されました。詳細は、各社の Web ページをご覧ください。 宇宙航空研究開発機構(JAXA) http://www.sapc.jaxa.jp/ 一般財団法人リモート・センシング技術センター(RESTEC) http://alos-2-restec.jp/ 株式会社パスコ http://jp.alos-pasco.com/ ・・・・・ 現在、GAMMA ソフトウエアが利用できるプラットフォーム(OS)には、 Linux, Windows, Mac OSX の3種類があります。 ●Linux 版は、Ubuntu 12.04 LTS(64-bit)を開発プラットフォームに使 用しています。Ubuntu 12.04 LTSでコンパイルされたプログラムは、何 の修正、変更もなく、Ubuntu 14.04 LTS(64-bit) で動くことがガンマ社 により確認されています。さらに、64-bit Redhat RHEL 6用バージョン も提供されています。 ●Windows 版は完全64bit 互換です。コンパイル、テストは Windows 7 64-bitを使用しています。Windows 8(64-bit)でも使用可能ですが、テス トは完全には終わっていないとのことです。 ●Mac OSX 版(Yosemite OSX 10.10.1でコンパイルした模様) バイナリーバージョンをお使いのユーザーは、保守が有効であれば、プ ラットフォームを変更することが可能です。ご希望の方は、弊社までご 連絡ください。 ・・・・・ <4月1日よりGamma SAR ソフトウエアの価格を改定します> 日銀の金融緩和策、スイス中銀の無制限介入の撤廃などの影響により、 これまで為替レートが円安に推移してきました。この数年は、実際の為 替レートよりも低い換算レートを使ってソフトウエアを提供してまいり ましたが、今般この差が大きくなり、値上げせざるを得ない状況です。 皆様には誠に恐縮でございますが、本年4月1日より、Gammaソフトウエア の価格を20% 値上げする予定です。何卒よろしくご理解ご高配をお願い 申し上げる次第でございます。 <マルチユーザー・ライセンス> Gamma ソフトウエアは、アカデミック・ライセンスを除いて、1台のコ ンピュータでの使用に限定されています(シングル・ライセンス)。 複数のコンピュータで同時使用される場合は、マルチユーザー・ライセ ンス(マルチ・ライセンス)に変更する必要があります。金額的には、価 格表に出ているシングル・ライセンスの2台分の費用により、マルチユ ーザ・ライセンスになります(保守も含めて2倍)。これにより、複数人 による同時使用が可能になります。 <保守再開時の割増料金について> GAMMA ソフトウエアは、購入後1年間は無償保守期間です。その後は、 1年毎の有償保守になります。 また、保守をしばらく中断されていて再開する場合は、以下のような 割増料金になりますので、よろしくお願いいたします。 保守中断期間  割増料金 ------------------------  1年以下   15% 増し  2年以下   30% 増し  3年以下   45% 増し  4年以下   60% 増し ------------------------ ご不明点等あれば、お気軽に弊社までお尋ねください。 sales@opengis.co.jp
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