Subject: [ts-mag:00059] OpenGIS Mail Magazine for T.S.U 【第 54号】
    Date: Fri, 28 Jun 2002 10:00:07 +0900
    From: Taichi FURUHASHI

OpenGIS Mail Magazine for Technical Support Users       2002/6/28
Keywords: OpenGIS,TNTmips,Co-occurence,CLASSPARM,CAD,Shape File,


オープンGIS
テクニカル・サポート専用メールマガジン

第54号「  隣 り に い る の は 誰 ?  」
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                       株式会社 オープンGIS




いよいよ、ワールドカップも決勝を向かえ、
熱かった1ヶ月間が過ぎ去ろうとしています。

にわかサッカーファンの僕でも、
試合ごとに一喜一憂して、テレビ観戦の日々が続いておりました。



しかしそんなサッカーを見ているときにでも、あのグラウンドの空間を
組織的に動き回る選手やボールの配置に感動し、ついつい GIS の視点か
らサッカーを見ることができないものかと考えたりしてしまいます。

例えば、オフサイド判定を GIS で行うには...? とか、
効果的なプレスをかける位置の検出とか...

ベクタ処理を中心とした解析で、なんとなく求められそうな気がしなくも
ありません。



こうなってしまうと、どんどんと空想は膨らんできます。
仮にラスタ処理として選手を画像分類などできたら?

現実的にはなかなか難しいですが、例えばチームの分類、ゴールキーパー
(GK)やディフェンダー(DF)、ミッドフィルダー(MF)やフォワード(FW)と
いった役割分担の分類などが、特殊な帽子・ユニフォームなどで上空から
のリモセン画像によって、それなりに分類できたとします。

すると、例えば分類結果の隣り合わせ解析などが可能になります。


どういうものかといいますと、ゴールキーパー(GK)と隣り合う可能性が高
いのは相手チームのフォワード(FW)であり、よほどのセットプレーでない
限り、ゴールキーパー(GK)と相手ディフェンダー(DF)が隣り合うことはあ
りません。

同じように、パスを最前線へつないでいくミッドフィルダー(MF)とパスを
受け取るフォワード(FW)が隣り合う可能性は高いですが、味方のゴールキ
ーパー(GK)と最前線のフォワード(FW)が隣り合うこともまた稀であります。


このように、画像分類の結果がどんな分類クラス(今回はサッカー選手)と
隣り合っているかどうかを集計する機能のことを、Co-occurence 機能と
呼びます。

ラスタデータで隣り合うとは、周囲1ピクセル以内、つまり周りを囲む
8マスの中にあるということです。

□□□
□■□
□□□




話がややこしくなってきましたので、簡単なサンプルラスタで具体的に
ご紹介しましょう。無理やり、サッカーに当てはめていますので、
選手の位置など多少は見逃してくださいね。


例えば、分類結果(サッカー選手)がこのような 5×5 のラスタになった
とします。【 1:GK', 2:FW, 3:MF, 4:DF, 5:GK 】


1 2 3 4 5
1 2 3 4 5
1 2 3 4 5
1 2 3 4 5
1 2 3 4 5



そして、Co-occurence 処理を行うと、このような表が得られます。

   Cluster      1(GK')      2(FW)    3(MF)      4(DF)     5(GK)
   1(GK')            4
   2(FW)            13         4
   3(MF)             0        13         4
   4(DF)             0         0        13         4
   5(GK)             0         0         0        13         4


これは、2(FW)の隣りに2(FW)がいる頻度が4であり、1(GK')の隣に
2(FW)がいる頻度が13であることを意味します。

えっ、2(FW)同士の隣りあいはたしかに4だけど、
なぜ1(GK')と2(FW)の隣りあわせが13なのかは理解できない!!

そうなんです。ここがちょっとわかりにくいのですが、隣り合っている
とは周りを囲む8ピクセルの中に含まれていることで、その数をカウン
トすると重複カウントがでてきます( 2 + 3 + 3 + 3 + 2 = 13 )。
そのため値も大きくなります。




ハテナ?と思われた方は、もう一つだけサンプルラスタの結果をご覧く
ださい。 今度はプレスをかけられて周囲を囲まれた場合です。
【 1:味方MF, 2:敵DF, 3:FW 】


1 1 1 1 1
1 2 2 2 1
1 2 3 2 1
1 2 2 2 1
1 1 1 1 1


そして、Co-occurence 処理を行った表はこちら。

   Cluster   1(味方MF)   2(敵DF)     3(FW)
   1(味方MF)        20
   2(敵DF)          32        12
   3(FW)             0         8         0


3(FW)を取り囲んでいる2(DF)が8とカウントされていることに気づか
れると、わかりやすいかと思います。

そして繰り返しになりますが、各ピクセルごとに周囲8個のメッシュを
カウントしていることが重複カウントにつながります。


□□□
□■□
□□□




ちょっと待てよ... そうすると一番最初に自分同士をカウントした4とい
う数が理解できなくなるぞ。
 この場合、自分同士でカウントしあう分を含めると組み合わせの考え方
より、通常カウントが倍になってしまいます。ですので、自分自身の隣り
合わせに関してのみ、合計値を2で割っています。

1 2 3
1 2 3
1 2 3
1 2 3
1 2 3

2を取り囲んでいる2はカウント8ですが、自分同士で重複カウントしま
すので、8÷2=4 と求められます。

非常にややこしいですが、これで他の値とキチンと比較できるのです。




このように画像分類結果を Co-occurence 解析することでどの分類クラス
(サッカー選手)同士が隣り合っているのか、またその組み合わせは妥当な
のかどうかを検証することができるのです。


双方のゴールキーパー(GK)同士の Co-occurence が大きかったら、それは
サッカーの試合として成り立ちませんね。つまりその場合は、分類結果の
信頼性が低いという評価につながるわけです。





今週のプチ・テクニック
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""
"
" 今週は、かなりマニアックな裏技です。
"
" 通常のラスタオブジェクトと分類結果のラスタオブジェクトは、一見
" 同じように見えますが、実はサブオブジェクトレベルで、少しだけ
" 違います。
"
" 分類結果のラスタオブジェクトには CLASSPARM という名前のサブオブ
" ジェクトがあります。このサブオブジェクトのあるなしで、
" Process/Raster/Interpret/Auto-Classify... 機能での読み出し許可が
" 変わりますので、必要ならば分類結果のラスタから CLASSPARM サブ
" オブジェクトをコピーするとよいかもしれません。
"
"
"""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""""




New Things 最新情報
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=
= キーワードを更新しました【TNTmips 検索システム】
= http://www.opengis.co.jp/htm/namazu.cgi
=
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バグ・トラブル情報
???
???
??? TNTmips の CAD オブジェクトを Process/Import-Export 機能で
??? ESRI シェープファイルとして出力すると、正しく出力されない場合
??? があることを確認いたしました。
???
??? 現在、細かくチェック中ではありますが、もし CAD オブジェクトの
??? シェープ変換がうまくいかない場合は、一度 CAD to Vector 変換を
??? 行ったうえで、Vector オブジェクトとしてシェープファイルへ出力
??? していただけますでしょうか。
???
??? 詳細が判明次第、マイクロイメージ社へ修正依頼いたしますので、
??? 問題が解決され次第、またメルマガにてご報告いたします。
???
??? 今後ともよろしくお願いいたします。
???
???
???




今週の話題 on メーリングリスト
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~ とくにありませんでした。
~
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前倒しで購入されていた分に関しましては、3回としてカウントされます
が、今後申し込まれた方は、2回分としてカウントされます。

また、今まで新規購入の際に1回分のフリーアップグレード・サービスが
ありましたが、こちらのサービスもなくなりました。

新規購入された場合、そのバージョンのみの対応となります。


わからない点などありましたら、
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M50: 900,000円 (税別・送料別)
年間バージョンアップ(2回分):150,000円(税別)
年間テクニカルサポート:90,000円(税別)

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