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P.1
TNT入門
ラスタの結合
TNTmips(R)
P.2
本書では、TNTmips(R)で使用可能なRaster Combination(ラスタ結合)処理を紹介します。これらの処理を使用すると、算術式や論理式を使用して複数のラスタ・オブジェクトを結合、変換したり、1つのラスタ・オブジェクトから別の値を求めることができます。ラスタ結合処理は、ラスタ・データの準備、処理、解析などにおいてさまざまな目的に使用できます。
必須基礎知識 本書では、読者が『TNT入門:地理空間データ表示』、および『TNT入門:操作方法』の例題を完了しているものと仮定しています。これらの例題で必須知識と基本的な技法を紹介していますので、本書ではこれらについては説明しません。必要に応じ、これらのマニュアルや『TNTmipsリファレンスマニュアル』で調べてください。また、これらの例題用の入出力オブジェクトの表示には、Display Process(表示処理)(Display / Spatial Data(表示/空間データ))を使用してください。
サンプルデータ 本書の例題では、TNT製品に添付されているサンプルデータを使用します。TNT製品CDにアクセスできない場合は、マイクロイメージズ社のホームページからデータをダウンロードできます。本書では特に、COMBRASTデータ・コレクションのサンプル・ファイルを使用します。
その他の資料 本書では、ラスタ画像の結合に関する概要しか説明しておりません。詳細は『TNTmipsリファレンスマニュアル』を参照してください。ラスタ結合処理について70ページ以上にわたって説明しています。
TNTmipsとTNTlite(TM) TNTmipsには2つのバージョンがあります。プロフェッショナル・バージョンと、無料バージョンであるTNTliteです。本書では、どちらのバージョンも「TNTmips」と呼ぶことにします。プロフェッショナル・バージョンにはハードウェア・キーが必要です。このキーがない場合、TNTmipsはTNTliteモードで動作し、オブジェクトのサイズが制約されるほか、TNTliteの別のコピーとの間でしかデータを共有できません。
TNviewとTNTatlasではラスタ結合処理を使用できません。TNTliteでは、添付されたサンプルの地理データを使用してすべての例題を完全に実行することができます。
Randall B. Smith博士、1997年10月22日、V5.80
本書の一部のイラストでは、カラー・コピーでないと重要な点がわかりにくい場合があります。マイクロイメージズ社のホームページから本書を入手されれば、カラーで印刷したり表示できます。また、このホームページからは、その他のテーマに関する『TNT入門』シリーズの最新のマニュアルも入手できます。インストール・ガイド、サンプルデータ、および最新バージョンのTNTliteをダウンロードできます。アクセス先は次の通りです。
http://www.microimages.com
P.3(上)
ラスタ結合の概要
P.3(左)
TNTmipsのラスタ結合処理(ドロップダウン・メニューのInterpret / Raster / Combine(変換/ラスタ/結合))には、ラスタ・データの補正、強調、変換、解析などを行うためのさまざまな強力なツールが用意されています。ほとんどの処理では、特性が共通(行と列のサイズ、地理的な範囲、セル・サイズが同じ)な一連のラスタ・オブジェクトを必要とします。この中の各ラスタ・オブジェクトは、数値式や論理式の中で変数として使用され、セルごとに入力ラスタ値に適用されて、新しい一連の出力ラスタを生成します。その他の処理では、数学関数や論理関数を使用して1つの入力ラスタから新しい値を抽出します。
Raster Combination(ラスタ結合)処理の多くは、マルチ・スペクトル画像(スキャンされたカラー赤外線航空写真、フレーム強調航空ビデオ、衛星画像)の処理や強調のために作られたものです。本書の例題は、よく使用されるいくつかの処理や解析作業の手順を示すことができるように構成されています。このような作業としては、複数のタイプの指標ラスタの作成、ラスタ・セットの1つのバンド内の「データ脱落部」の修正、異なる日付で集録された画像の照明条件の違いを修正する処理(画像の標準化)などがあります。これらの作業を実行することで、多くのRaster Combination(ラスタ結合)処理に慣れていただけるでしょう。
例題では、Landsat Thematic Mapper(ランドサットによるテーママップ作成装置(TM))による、カリフォルニア州ハンフォード近郊の農地の一連の画像を使用します。1993年4月、6月、10月に撮影された3つの画像は、ジオリファレンス処理され、同じ投影に対して再度サンプリングされ、ラスタ・サイズと地理範囲が同じになるようにカットされています。
P.3(右)
4〜7ページの例題では、あらかじめ定義されたラスタ結合処理例を採り上げ、インデックス値を求めることに焦点を当てています。8ページでは、ラスタ・セットの次数を下げるためのPrincipal Components(主要素)変換について紹介します。9ページでは、Decorrelation Stretch(逆相関拡張)処理について説明します。10〜15ページでは、マルチ・バンド・セットの1つのラスタにおけるデータ脱落部の修正について説明します。16〜18ページでは、時刻の異なるデータセットを標準化する基本手順を示します。
#図#
ランドサットTMによる、1993年4月27日のカリフォルニア地域のハンフォードの画像。TMバンド5(中間赤外線)は赤で、TM4(近赤外線)は緑で、TM3(赤)は青で表示されています。植生地域は緑で、植生のない部分はピンクとマゼンタで示されています。
P.4(上)
経路光の値を減算する
P.4(左)
ステップ
##TNTmipsのメイン・メニューからInterpret / Raster / Combine / Predefined(変換/ラスタ/結合/事前定義)を選択します。
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのOperation(処理)オプション・ボタンからScale / Offset(縮尺/オフセット)を選択します。
##[Rasters...](ラスタ)をクリックし標準のFile / Object Selection(ファイル/オブジェクト選択)手順を使用して、HAN_TMプロジェクト・ファイルのAPR_27フォルダからTM1_D27というラスタ・オブジェクトを選択します。
##Post-Scale Offset(縮尺処理後のオフセット)値を-66(負の値)に設定します。
##[Run...](実行)をクリックして新しいプロジェクト・ファイルCOMBRASTを作成し、デフォルトの出力ラスタ名をそのまま確定します。
#図#
ハンフォードの画像用に経路光補正されたバンドは、HAN_PRプロジェクト・ファイルに入っています。
Raster Combinadon(ラスタ結合)ウィンドウは次の例題で使用しますので開いたままにしておいてください。
P.4(右)
地球表面の衛星画像の調査は通常、さまざまなスペクトル・バンドのセンサで記録された輝度の値を使用して地表のさまざまな種類の物質を特定するために行われますが、他のRaster Combination(ラスタ結合)処理に衛星画像を使用する前に、Scale / Offset(縮尺/オフセット)処理を行って、各バンドから経路光の値を減算する必要があります。
経路光は、大気中のガス分子や塵により乱反射して衛星のセンサで検出される光です。散乱光があると、地表から返ってくる輝度信号に加算されてしまいます。散乱光(したがって経路光値も)の量は青い光(TMバンド1)の場合に最も大きく、波長が短くなるにしたがって小さくなり、長い方の中間赤外線波長(TMバンド7)ではほとんど無視できる程度になります。また、画像の撮影日が異なる場合も、経路光が違ってきます。経路光値のいくつかの計算方法については、Sabins(1997、p.261)とJensen(1996、p.116)が説明しています。
Scale / Offset(縮尺/オフセット)処理を使用すると、ラスタ値に縮尺係数を掛けたり、縮尺処理の前と後に、個別にオフセット値を加算することができます。経路光値を減算するには、Scale Factor(縮尺係数)を1.00に設定し、負のオフセット値を入力します。
#図#
Operation(処理)オプション・ボタンからScale / Offset(縮尺/オフセット)を選択します。
このテキスト・フィールドには、処理に使用される算術式が表示されます。
TM1_D27の各セルから66を引いて経路光補正を行った結果。
P.5(上)
バンド比を計算する
P.5(左)
マルチ・スペクトル画像用の簡単で非常に有効なラスタ結合が、スペクトル・バンド間の比率です。Algebraic / Divide(代数/除算)処理を使用して、簡単なバンド比画像を作成します。
個々のスペクトル・バンド内で、地表物質が同じでも場所によって輝度の値が異なることがありますが、これは、傾斜角度や傾斜の方向(方位)および付近の地形の影によって照明の当たり方が異なるからです。このような照明による影響は波長に関係なく程度がほぼ同じであるため、1つのバンドを別のバンドで除算すると打ち消される傾向があります。したがってバンド比画像では、地表の物質に固有な特性が強調されます。バンド比画像のグレースケール表示で、最も暗い階調と最も明るい階調は、2つのスペクトル・バンドの反射率の差が大きい部分を示します。反射率が似ている部分は、中間のグレー階調で表示されます。
異なるバンド比を組み合わせると、特定のタイプの地表物質が強調されます。赤(TM3)に対する近赤外線(TM4)の比は、植生の指標として広く使用されています。緑色の植物の場合は、これらの2つのバンドでの反射率に大きな特徴的な差が見られ、近赤外線バンドでは明るく、赤のバンドでは暗く表示されます。比が4/3の画像では、完全に植生で覆われている部分は非常に明るく表示され、背景の土壌に対する、植生で覆われた部分の比率が小さくなるにつれ、比率の値は小さくなります。
8ビット入力ラスタの場合、可能な出力比率値の範囲は、1/255〜255です(入力値が0の場合は除く)。通常使用可能なマルチ・スペクトル・バンドを使用すると、有用な比率範囲は0.4〜15.0となります。縮尺を変えずに出力で全範囲の比率値を確保するには、浮動小数点(10進数値)ラスタ形式を使用します。
P.5(右)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのOperation(処理)オプション・ボタンからDivide(除算)を選択します。
##[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのAPR27フォルダに移動し、Aに対してオブジェクトTM4_D27を、Bに対してオブジェクトTM3_D27を選択します。
##Output Raster Type(出力ラスタ・タイプ)オプション・ボタンから32-bit floating-point(32ビット浮動小数点)を選択します。
##[Run...](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルにラスタを転送します。
#図#
コントラスト強調が自動的に標準化された、4月のハンフォードの、比率が4/3のTM画像。明るい部分は穀物が活発に生育している部分を示す。
P.6(上)
標準化された差による指標を計算する
P.6(左)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのType(タイプ)オプション・ボタンからIndices(指標)を選択します。Operation(処理)オプション・ボタンはデフォルトでNDになります。
##[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのJUN30フォルダに移動し、Aに対してオブジェクトTM3_F30_Pを、Bに対してオブジェクトTM4_F30_Pを選択します。
##[Run...](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルにラスタを転送します。
指標タイプの下の一連の処理には、マルチ・スペクトル・データベースからの地表を覆う植生や土壌の輝度などの生物物理学的特性を抽出するための一般的な処理が、たくさん含まれています。
ハンフォードTM画像用の、比率が4/3のTM画像とNDVI画像は、HAN_INDXプロジェクト・ファイルに入っています。
P.6(右)
単純なバンド比画像には、いくつかの欠点があります。比率計算により、センサ・ノイズ(通常は特定のバンドに固有のもの)が強調されてしまいます。また比率結果には、分数値(A < Bの場合で、A/Bが1より小)と、1より大きい値(A > Bの場合)の両方が含まれています。これらの値に一定の縮尺係数をかけてデータ範囲が8ビット(0〜255)にすると、下側の範囲(A < Bの場合)は圧縮され、上側の範囲は拡大されます。
標準化された差による指標は、このような問題を軽減するための別の比率計算方法です。2つのスペクトル・バンドの対応するラスタ値の間の差(B-A)は、両者の和(B+A)で割ることにより「標準化」されます。単純なバンド比率の場合と同様、地形による違いは大幅に除去されます。出力値はは-1〜+1の範囲で変動しますので、データの範囲は0(B = A)に対して対称になります。この範囲は、8ビット符号付き整数データの範囲(-127〜+128)に容易に拡大/縮小できます。デフォルトの倍率係数100を使用した場合に可能な出力値の範囲は-100〜+100になります。
標準化した差による植生指標(NDVI)は緑色の地表植生の指標として広く使用されています。NDVIでは、近赤外線チャネルをBに、赤のチャネルをAに割り当てます。ランドサットのTMデータの場合は、B=TM4、A=TM3となっています。NDVIの値が大きい(より明るい階調)ほど、地表植被を緑の植生で割った比率が大きいことを示します。
#図#
1993年6月30日のハンフォードのNDVI画像。明るい階調は、穀物が活発に生育している畑を示します。
P.7(上)
TMタッセルキャップ(房付き帽子)指標
P.7(左)
NDVIは、地表の実際の生物物理学的特性(緑の植生により覆われている程度)の変動を示すために抽出された値です。指標値を抽出するための方法としてはこのほかに、使用可能な一連のすべてのバンドからのスペクトル値を、スペクトル空間内の直交する新しい一連の座標軸に投影する方法があります。新しい軸は、重要な生物物理学的特性にできる限り対応するように選択されます。
6つの非熱的ランドサッドTMバンド(1〜5および7)用のタッセルキャップ指標では、3つの指標値、すなわち緑の程度(植生指標)、輝度(土壌輝度指標)、湿度(土壌に含まれる湿気の指標)が計算されます。6つのTMバンドに含まれる土壌と植生の状態の可変性が、これらの3つの指標の次元で表されます。各指標は、入力バンドの加重合計(線形結合)としてセルごとに計算されます。計算式は、aTM1 + bTM2 + ... + fTM7となります。重み付け係数a〜fは各指標ごとにあらかじめ定義されており、Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウの数式パネルに表示されます。
#図#
10月のハンフォードの画像のタッセルキャップ指標ラスタのRGB表示。輝度は赤、緑の程度は緑、湿度は青で表示されています。すべての日付の指標ラスタが、HAN_INDXプロジェクト・ファイルに入っています。
P.7(右)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのType(タイプ)オプション・ボタンからIndices - TM(指標 - TM)を選択します。Operation(処理)オプション・ボタンはデフォルトではタッセルキャップになります。
##[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのOCT20フォルダに移動し、TM1に対してオブジェクトTM1_J20_Pを、TM2に対してオブジェクトTM2_J20_Pを... 、というようにTM7まで選択します。
##[Run...](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに出力ラスタGreenness(緑の程度)、Brightness(輝度)、Wetness(湿度)を転送します。
タッセルキャップという変換名は、代表的な植生地域についてBrightness(輝度)に対してGreenness(緑の程度)をプロットしたときの点の分布の形から付けられたものです。
#図#
Greenness(緑の程度)
Brightness(輝度)
P.8(上)
主要素を計算する
P.8(左)
ステップ
##TNTmipsのメインメニューからInterpret / Raster / Combine / Principal / Components(変換/ラスタ/結合/主要/要素)を選択します。
##Principal / Components(主要素)ウィンドウから[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのAPR27フォルダに移動し、オブジェクトTM1_D27_P〜TM7_D27_Pを選択します。
##[Run...](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに6つの出力主要素ラスタを転送します。
##Principal / Components(主要素)ウィンドウを閉じます。
Rescale to Output Range(出力範囲に合わせて縮尺設定)トグル・ボタンをONにすると、主要素の値は、デフォルトの8ビット符号なし整数データの範囲(0〜255)に自動的に縮尺設定されます。
#図#
Fill(埋め込み)メニューのオプションを使用すると、変換統計データをテキスト・ファイルや配列として保存し、他の処理で使用することができます。
P.8(右)
一連のスペクトル・バンドを変換して少ない数のパラメータを抽出(次元削減)して変換しやすくするもう一つの方法が、Principal Components(主要素)処理です。タッセルキャップ変換と同様、主要素処理でも一連の各入力ラスタの値が、新しい一連の直交する座標軸に割り当てられます。ただし、主要素変換で使用される係数は入力ラスタの統計解析によって抽出されます。第1の主要素は、データ内の最も大きい広がり(分散)の方向です。第2の要素は、分散が最も大きい第1の要素に直交する方向です。その他の要素は、相互に直交する軸の条件により決定されます。
通常のTM画像では、6つの非熱的バンド内のスペクトル可変性の95パーセント以上が、最初の3つの主要素で表されます。抽出されたこれらのラスタは、直接変換できるほか、Automatic Classification(自動分類)など他の処理の入力として使用すると、入力ラスタの数が削減されたことで処理を大幅に高速化できます。一般的なマルチ・スペクトル・データセットで次元を減らすことができるのは、類似した地表物質に対してスペクトル・バンドの特定のグループ(可視光領域など)の応答に高い相関が見られるからです。主要素処理では、相関のない一連の出力ラスタが生成されます。
#図#
4月のハンフォードのTM画像から得られた第1主要素画像(HAN_PCプロジェクト・ファイルを参照)。
P.9(上)
逆相関拡張を適用する
P.9(左)
Decorrelation Stretching(逆相関拡張)は、最初の3つのランドサット・テーママップ作成装置のバンドのような、高い相関を持つラスタ・セットのカラー表示を強調するための処理です。この処理では、一連の入力バンドに対して主要素変換を実行し、要素に対してコントラスト拡張を適用し、さらに変換内容を反転します。出力ラスタをRGBで表示する場合、色相と強度は通常、元の画像と同様ですが、彩度は大幅に向上します。この強調を行うと、元のバンドに対して従来のコントラスト強調を行った場合に比べて、地表物質によるスペクトル特性の差が大幅に強調されます。この結果、逆相関処理されたラスタ・セットを使用して地表物質の微妙な違いをより容易に識別することができます。
#図#
(それぞれ)赤、緑、青で表示された10月のハンフォードの画像のバンドTM3、TM2、TM1。画像の色がより自然な感じになっている。
P.9(右)
ステップ
##TNTmipsのメインメニューからInterpret / Raster / Combine / Decorrelation(変換/ラスタ/結合/逆相関)を選択します。
##Decorrelation Stretching(逆相関拡張)ウィンドウで[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのOCT20フォルダに移動し、オブジェクトTM1_J20_P〜TM3_J20_Pを選択します。
##[Run...](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに3つの出力要素ラスタを転送します。
##Decorrelation Stretching(逆相関拡張)ウィンドウを閉じます。
逆相関処理では3つ以上の入力バンドを使用できますが、強調効果が最大になるのは、相関性の高いバンドの場合です。
Contrast(コントラスト)オプション・ボタンの複数のコントラスト拡張方法から選択することができます。
同じバンドの組合せの、逆相関拡張を行った後の様子。彩度が向上したため、さまざまな穀物(緑)や、さまざまな土壌タイプや状態(オレンジ、赤、茶色、ラベンダーの影)が識別しやすくなっています。
P.10(上)
ラスタに閾値処理を行ってマスクを作成する
P.10(左)
ステップ
##TNTmipsのメインメニューからInterpret / Raster / Combine / Predefined(変換/ラスタ/結合/事前定義)を選択します。
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのType(タイプ)オプション・ボタンからLogical(論理)を選択します。
##[Rasters...](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルからラスタ・オブジェクトTM_2を選択します。
##Threshold Value(閾値)を2に変更します。
##Output White(白を出力)オプション・ボタンからAbove Thereshold(閾値以上)を選択します。
##[Run...](実行)をクリックして新しいプロジェクト・ファイルHAN_BD1を作成し、出力ラスタ名をBD_MASKに変更します。
データ値が不良な部分を含むラスタ・オブジェクトTM_2(0と1、黒で表示されている)。
#図#
Threshold Value(閾値)を2に変更します。
Output White(白を出力)オプション・ボタンからAbove Thereshold(閾値以上)を選択し、2より大きい入力セル値に対して出力値1を設定します。
P.10(右)
この例題は、マルチ・バンド・セットの1つのラスタ内の「不良データ」の部分を「修正」する作業を説明するための、6つの例題のうちの最初の例題です。センサやデータ伝送動作に不良があると、画像バンドの一部のデータが失われる可能性があります。この場合は、ラスタの中に、間違った値(データ脱落と言う場合もあります)を含む1つまたは複数の行ができます。これらの例題に合わせて、6月のハンフォードのTMラスタ・セットのバンドTM2を編集して、この状態を疑似的に作り出してあります。
第1段階として、Logical Threshold(論理的閾値)処理を使用して、後の処理で脱落部分をマスクするためのバイナリ・ラスタを作成します。マスクのラスタ値は、脱落部の各セルに対しては0、その他のすべてに対しては1でなければなりません。閾値処理では1つの入力ラスタ値を境界として使用し、出力セルの2進数値を判断します。閾値以下のすべての入力セル値に対しては値1(白)を出力するように、またはその逆に、選択することができます。この場合は、脱落値(0と1)と実際のデータの最小値(23)とが数値的にかけ離れていますので、閾値を2にしておけば必要な分離効果を得ることができます。
#図#
Type(タイプ)オプション・ボタンからLogical(論理)を選択します。
Threshold(閾値)は、デフォルトではLogical(論理)演算になります。
P.11(上)
多重線形回帰を実行する
P.11(左)
今度は、Multilinear Regression(多重線形回帰)処理を使用して、HAN_BDプロジェクト・ファイルのTMラスタ間の数学的関係を調べてみましょう。次の例題では、この関係を使用してバンドTM2の脱落部分の値を推定します。
Multilinear Regression(多重線形回帰)処理は、一連のラスタに対する一連の線型回帰式を求めるものです。この解析では、各入力バンドを順番に従属変数として処理し、残りのバンドを独立変数として処理します。結果として得られるそれぞれの式が、従属バンド内で最適なラスタ値を再生するような残りのバンドの一次結合を規定します。推定値と実際の値との間の二乗誤差の和が最小になるように、最適近似が求められます。
回帰関係は、各ラスタ内の実際のデータのみに基づくものでなければなりません。TM2に含まれる間違った値が計算に悪影響を与えないようにする必要があります。したがって、前の例題で生成されたマスクを使用して、脱落部分を計算から除外します。サイズの大きい一連の入力ラスタの処理を行う場合、セルのサブセットを使用して回帰式を求めるようにすれば処理をスピードアップできます。このサブセットは、行と列の方向におけるサンプリング区間を設定することにより定義されます。
#図#
行と列のサンプリング区間を設定するには、これらのテキスト・ボックスに値を入力します。
P.11(右)
この例題群の各例題用の出力ラスタは、HAN_BDプロジェクト・ファイルに入っています。次のステップでは、これらのオブジェクトを入力に使用するか、HAN_BD1出力ファイルに入れたものを使用することができます。
ステップ
##TNTmipsのメインメニューからInterpret / Raster / Combine / Multilinear Regression(変換/ラスタ/結合/多重線形回帰)を選択します。
##Multilinear Regression(多重線形回帰)ウィンドウからRasters(ラスタ)ボタンをクリックしてHAN_BDプロジェクト・ファイルのラスタ・オブジェクトTM1〜TM7を選択します。
##[Input Mask](入力マスク)をクリックし、HAN_BDプロジェクト・ファイルからBD_MASKオブジェクトを選択します。
##[Run...](実行)をクリックします。
#図#
計算値は、Multilinear Regression Results(多重線形回帰の結果)ウィンドウに表示されます。
File(ファイル)メニューのオプションを使用すると、回帰の結果を配列ファイル(他の処理で使用するため)またはテキスト・ファイルとして保存できます。
Multilinear Regression(多重線形回帰)ウィンドウとMultilinear Regression Results(多重線形回帰の結果)ウィンドウは、次の例題で使用しますので開いたままにしておいてください。
P.12(上)
回帰結果から値を推定する
P.12(左)
ステップ
##Multilinear Regression Results(多重線形回帰の結果)ウィンドウで、Apply Mask to Output(出力にマスクを適用)およびInvert Mask(マスクを反転)トグル・ボタンをONにします。
##Operation(処理)メニューからPredict(推定)を選択します。
##File / Object Selection(ファイル/オブジェクト選択)ウィンドウが開きますので、HAN_BD1プロジェクト・ファイルを開き、TM2に対応する矢印ボタンをクリックしてTM2を「推定」出力ラスタとして選択します。
##New Object(新しいオブジェクト)ウィンドウでデフォルトのオブジェクト名(P_TM2)をそのまま確定し、[OK]をクリックします。
##File / Object Selection(ファイル/オブジェクト選択)ウィンドウで[OK]をクリックすると、処理が開始されます。
#処理が完了したら、Multilinear Regression Results(多重線形回帰の結果)ウィンドウのFile(ファイル)メニューからClose(閉じる)を選択します。
##Verify(確認)ウィンドウで結果を保存するか聞いてきたら[No]をクリックします。
##Multilinear Regression(多重線形回帰)ウィンドウで[Exit](終了)をクリックします。
#図#
推定されるTM2ラスタを計算するには、Operation(処理)メニューからPredict(推定)を選択します。
P.12(右)
回帰関係の計算が済むと、Predict(推定)処理を使用してラスタ群の中の残りのラスタ内の値から任意のバンドの値を推定することができます。必要なのはTM2に対する推定値だけですので、このバンドに対してだけ出力ラスタを設定します。他のラスタの推定値は計算されません。
後で、脱落部分のTM2の推定値を、画像の残りの部分の実際のTM2の値に結合する必要があります。推定値が脱落部分に対応付けられており、他の既知の値が予測されるTM2ラスタの残りの部分に対応付けられていれば、この結合処理までの作業が簡単になります。このためには、Predict(推定)処理で、推定値の計算後に不良データ・マスクを出力ラスタに適用します。マスクには、脱落部分のセルに対応する値0、残りのセルに対応する値1が含まれていますので、この処理ではマスクを反転する必要があります。こうすると、脱落部分の推定値に1がかけられ、そのまま出力ラスタに渡されます。その他のセルはデフォルトのヌル値(255)に設定されます。
#図#
脱落部分を推定ラスタ値で置き換えた出力ラスタP_TM2。マスク部分には値255が割り当てられていますが、この図ではシアンで表示されています。
P.13(上)
Replace All(すべてを置換)処理を使用する
P.13(左)
推定されたラスタと実際のラスタを最も簡単に結合できるようにするには、ラスタTM2内の実際のデータが存在するセルの値が、推定されたラスタ内で0になっていなければなりません。残念ながらPredict(推定)処理では、これらのセルに値255が設定されています。Replace All(すべてを置換)処理を使用すると、この問題に対処することができます。
Replace All(すべてを置換)処理では、1つの入力値または特定範囲の入力値が、指定された他の値と置換されます。ここでは、入力ラスタ内の値255を値0に置換します。ただし255は、前の例題でPredict(推定)処理により生成されたラスタ内のヌル値として指定されたものです。この値にセットされたセルをこの例題で処理できるようにするには、Project File Maintenance(プロジェクト・ファイル・メンテナンス)処理(Support / Maintenance / Project File(サポート/メンテナンス/プロジェクト・ファイル))を使用してオブジェクト情報を推定TM2ラスタ用に編集し、Has Null Value(ヌル値に設定済み)トグル・ボタンをOFFにしておく必要があります(HAN_BDプロジェクト・ファイルのオブジェクトP_TM2に対しては、この処理はすでに行われています)。
#図#
Replace With(置換する値)の設定値はデフォルト値0.00のままにしておきます。
P.13(右)
ステップ
##TNTmipsのメインメニューからInterpret / Raster / Combine / Predefined(変換/ラスタ/結合/事前定義)を選択します。
##Operation(処理)オプション・ボタンからReplace All(すべてを置換)を選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックし、HAN_BDプロジェクト・ファイルからオブジェクトP_TM2を選択します。
##Lower Limit(下限)とUpper Limit(上限)の値を255に変更します。
##[Run](実行)をクリックしてHUN_BDプロジェクト・ファイルを開き、出力ラスタ名をP_TM2_0に変更します。
Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウを開いたまま次の例題に進んでください。
#図#
推定された値のラスタP_TM2
推定値 置換
出力ラスタ
入力のラスタ値255が値0(この図では黄色で表示)に置換された出力ラスタP_TM2_0。
デフォルトのInside Range(範囲内)オプションでは、Lower Limit(下限)とUpper Limit(上限)の範囲内のすべての入力値が置換されます。この場合は、両方の限界値が同じですので、値255だけが置換されます。
P.14(上)
ラスタを乗算してマスクに適用する
P.14(左)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのOperation(処理)オプション・ボタンからMultiply(乗算)を選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックしてHAN_BDプロジェクト・ファイルからオブジェクトTM2とBD_MASKを選択します。
##[Run](実行)をクリックしてHAN_BD1プロジェクト・ファイルを開き、出力ラスタにTM2_MASKEDという名前を付けます。
#図#
1)TM-2
2)ノイズ
3)デ−タ
4)マスクを乗算
5)値0
6)マスク
7)データ
8)出力ラスタ
9)出力ラスタTM2_MASKED。脱落部分のすべてのセルの値が0になっています。
10)Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウを開いたまま次の例題に進んでください。
P.14(右)
前の例題では、Multilinear Regression(多重線形回帰)処理においてバイナリ・マスク・ラスタ(BD_MASK)を使用して入出力の値を制御しました。前の例題の推定ラスタ値をTM2の実際のデータ値に結合する前に、脱落部分のすべての値が0になるようにTM2ラスタをマスク処理したものを作成する必要があります(脱落部分には値0と1が含まれていることを思い出してください)。このためには、Multiply(乗算)処理により、TM2の各値にBD_MASK内の対応する値をかけます。マスクでは、脱落部分のすべてのセルに対応する値が0になっていますので、乗算を行うと脱落部分全体で値が0になります。脱落部分以外の部分のセルに対応するマスク値は1ですので、乗算を行っても、実際のデータ値はそのままマスク後の出力ラスタに渡されます。
Multiply(乗算)処理では、あらゆるタイプのグレースケール・ラスタ・オブジェクトを乗算できます。また、この処理にはScale Factor(縮尺係数)も含まれており、デフォルトでは値が1.00になります。複数の非バイナリ・ラスタの乗算を行う場合は、選択された出力ラスタ・タイプの範囲に合わせてScale Factor(縮尺係数)を調整してデータの縮尺を再設定したり、ビット深さの大きい出力ラスタ・タイプを選択することが必要になる場合があります。
P.15(上)
ラスタを加算する
P.15(左)
次に、最終的な代数演算を使用して、マスク処理済みのTM2ラスタ(TM2_MASKED)を、脱落部分用の推定値を含むラスタ(P_TM2_0)と結合します。TM2_MASKEDの脱落部分には値0が含まれ、P_TM2_0には推定値が含まれています。一方、TM2_MASKEDの残りの部分には実際のデータ値が含まれ、P_TM2_0の残りの部分には値0が含まれています。したがって、単純にセルごとにラスタ値を加算すると、ラスタ値を全く変更せずに、脱落部分の推定値と実際のデータを結合することができます。
Add(加算)処理では、このようなセルごとの加算が行われます。任意の数およびタイプのラスタ・オブジェクトを入力することができます。自動的に結果の縮尺を設定するオプションはありませんが、このために、出力値が出力ラスタ・タイプの範囲を超えないように、場合によっては入力オブジェクトよりもビット深さの大きい出力ラスタ・タイプを選択する必要があります(8ビットの出力ラスタの場合、255より大きい計算値にはすべて値255が設定されます)。
#図#
推定されたTM2 マスク処理されたTM2
データ
推定値 値0
実際の値と推定値が結合された様子
Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウを開いたまま、次の例題に進んでください。
P.15(右)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのOperation(処理)オプション・ボタンからAdd(加算)を選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックしてHAN_BDプロジェクト・ファイルからオブジェクトP_TM2_0とTM2_MASKEDを選択します。
##[Run](実行)をクリックしてHAN_BD1プロジェクト・ファイルを開き、出力ラスタ名をTM2_FIXEDに変更します。
#図#
ラスタの脱落部分に対応する推定値が残りの部分の実際の値に結合されたラスタ・オブジェクトTM2_FIXED。
P.16(上)
Logical Range(論理範囲)を使用してマスクを作成する
P.16(左)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのType(タイプ)オプション・ボタンからLogical(論理)を選択します。
##Operation(処理)オプション・ボタンからRange(範囲)を選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックしてHAN_INDXプロジェクト・ファイルのAPR27フォルダに移動し、オブジェクトNDVIを選択します。
###Lower Limit(下限)パラメータの値を-10に、Upper Limit(上限)パラメータの値を10に設定します。
##[Run](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに出力ラスタを転送します。
注意:Display(表示)処理の限界値を決定するには、NDVIラスタを、植生地帯が緑で、湿地帯がダークブルーで表示されている、TM 5-4-3のRGB表示と比較します。最適な値を見つけるには、ある程度の試行錯誤が必要です。
#図#
Output White(白を出力)オプション・ボタンからInside Range(範囲内)を選択し、範囲内の入力セル値に出力値1を割り当てます。この逆の効果を得るには、Outside Range(範囲外)を選択します。
P.16(右)
異なる日付で撮影された同じ地域の衛生画像では、地表の物質が同じでも、センサや照明の条件が異なるために輝度の値が異なることがあります。このような変化があると、画像の時系列の解析や解釈が複雑になることがあります。最後の3つの例題では、4月と10月のハンフォードのTM画像を調整して6月の条件に合わせるための基本手順を示します。
最初に、Logical Range(論理範囲)処理を使用して4月のNDVIラスタからマスクを作成します。Range(範囲)処理では、範囲の連続した入力ラスタ値から決定される値を使用してバイナリ・ラスタを作成します。入力範囲は、Lower Limit(下限)およびUpper Limit(上限)パラメータの値により定義されます。この例題のマスクは、時刻により輝度が変化する可能性の高いセル、すなわち植生地(NDVIが高い部分)や水面や湿地(NDVIが低い部分)を除外できるようにデザインされます。Lower Limit(下限)は乾燥した状態から湿った状態を分離できるような値に、Upper Limit(上限)は植生のあるセルとないセルを分離できるような値に選択されます。この処理では、各入力セルの出力値1が、指定範囲内のNDVI値に対応付けられます。
#図#
Range(範囲)処理により生成されたマスク・ラスタがグレースケールによる4月のNDVIラスタに重ねて表示された様子。マスクの値が0の部分は緑で表示され、植生や湿った状態により輝度が影響を受けるようなセルであることを示します。
P.17(上)
AND論理を使用してマスクを結合する
P.17(左)
前の例題で4月の画像用に作成されたマスクでは、植生がなく湿っていない地域のセルの値は1になっています。ここでは、3つのすべての画像の日付で状態が変わらない部分を識別する必要があります。このような部分(疑似不変地形と呼ぶ)では各画像でのスペクトル特性がほぼ同じであるため、これを使用すれば3つの画像の標準化に必要な輝度調整値を求めることができます。疑似不変地形を使用した画像の標準化についての詳細は、Jensen(1996、p.116〜121)およびSchottら(1988)が示しています。
論理演算ANDを使用すると、各日付で作成されたNDVIマスクから疑似不変地形マスク(PIFマスク)を作成することができます。AND演算では、複数の入力バイナリ・ラスタから1つのバイナリ・ラスタが生成されます。各入力ラスタの対応するセルの値が1の場合のみ、出力セルには値1が割り当てられます。したがって、結果として得られるPIFマスクでは、3つのすべての日付において植生がなく湿っていなかったセルの値のみが1になります。Multiply(乗算)処理を使用すると、(前の例題と同様に)PIFマスクを各TMバンドに適用して、各日付における疑似不変地形ラスタを作成することができます。
#図#
Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウを開いたまま、次の例題に進んでください。
P.17(右)
ステップ
##Operation(処理)オプション・ボタンからANDを選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックし、PIF_MASKプロジェクト・ファイルからオブジェクトPIF_D27、PIF_F30、PIF_J20を選択します。
##[Run](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに出力ラスタを転送します。
論理演算ORでも複数の入力バイナリ・ラスタから1つのバイナリ・ラスタが生成されます。いずれかの入力ラスタの対応するセルの値が1の場合は、出力セルに値1が割り当てられます。
出力される疑似不変地形マスクは、オブジェクトPIF_MASKとしてPIF_MASKプロジェクト・ファイルに格納されます。各日付に対応する疑似不変地形ラスタ・セットは、HAN_PIFプロジェクト・ファイルに入っています。
#図#
3つの入力マスクに対して論理演算ANDを適用することにより作成されたPIFマスク。値0は黄色で、値1は青で表示されます。疑似不変地形を示しているのは一部のセルだけです。
P.18(上)
縮尺とオフセットを適用する
P.18(左)
ステップ
##Raster Combination(ラスタ結合)ウィンドウのType(タイプ)オプション・ボタンからAlgebraic(代数)を選択します。
##Operation(処理)オプション・ボタンからScale / Offset(縮尺/オフセット)を選択します。
##[Rasters](ラスタ)をクリックしてHAN_PRプロジェクト・ファイルのAPR27フォルダに移動し、オブジェクトTM1_D27_Pを選択します。
##Scale Factor(縮尺係数)パラメータの値を1.279に設定します。
##Post-Scale Offset(縮尺処理後のオフセット)の値を0.08に設定します。
##[Run](実行)をクリックしてCOMBRASTプロジェクト・ファイルに出力ラスタを転送します。
線型回帰を実行する前に、HAN_PIFプロジェクト・ファイルのラスタ用のHas Null Value(ヌル値に設定済み)オプションがOFFになっています。この中には、計算における値0も含まれています。経路光補正が適用されたバンドでは、日付が違ってもこれらの値が同じになっていなければなりません。
#図#
6月の照明条件に合わせて標準化された4月のランドサットTM画像。RGBのバンド割り当てはそれぞれ、TM5、TM4、およびTM3となっています。
P.18(右)
各日付の各TMバンドに含まれる疑似不変地形の輝度の値は、ある範囲に広がっています。2つの日付における同じバンド(たとえば4月と6月のTM1)を比較すると、一連の輝度値の間に強い線形関係があります。Multilinear Regression(多重線形回帰)処理(説明は11ページ)においてPIFマスク処理されたラスタのペアを使用すると、この関係を示す線形回帰式を求めることができます。6月の値を4月の値の関数として示す式(Multifinear Regression Results(多重線形解析の結果)ウィンドウに表示される)から得られる定数と係数を使用すると、6月の画像の条件に合わせて4月のTM1を調整することができます(各TMバンドのペアから一意的な定数と係数が得られます)。
ここでは、Scale / Offset(縮尺/オフセット)を使用し、6月の画像に合わせて、4月のTM1ラスタ(経路光補正されたもの)の縮尺を再設定します。6月-4月の回帰式から得られた係数は、Scale Factor(縮尺係数)として、定数はPost-Scale Offset(縮尺処理後のオフセット)として使用されます。
#図#
ハンフォードのTM画像を標準化したものは、HAN_NORMプロジェクト・ファイルに入っています。
P.19
次に読むべき資料
本書では、TNTmipsにおけるRaster Combination(ラスタ結合)処理の概要を簡単に説明しました。『TNTmipsリファレンスマニュアル』では、Predefined Raster Combination(あらかじめ定義されたラスタ結合)処理におけるその他の演算、およびUserDefined Linear and Progressive Transformation(ユーザ定義による線形変換と回帰変換)処理について説明しています。
本書の例題では、衛星画像にラスタ結合処理を行うサンプル・アプリケーションに焦点を当てて説明していますが、この他にも多くの用途があります。これらの処理は、ラスタという形で格納された、空間的に変化するあらゆるタイプの数値データに適用できます。たとえば、穀物のタイプ、土壌の状態、過去の穀物生産高に関するラスタ・データを使用して、セルごとに必要な施肥量を計算すれば、正確な穀物管理を行えます。また、土壌の侵食性、傾斜の状態、降雨、地被植生などに関するラスタ値を、Universal Soil Loss(一般土壌損失)の式に対する入力に使用すれば、土壌の浸食速度を計算できます。このように、ラスタ結合処理は、空間モデリングやラスタを使用したGIS解析に非常に役立ちます。より複雑な計算や多くの演算を含む処理シーケンスの場合は、TNTmipsのSpatial Manipulation Language(空間処理言語:SML)で記述されたスクリプトを使用すれば、その他の数学関数にアクセスしたり、各ステップでユーザが介在する必要をなくすことができます。
参考文献
ラスタ結合処理や、これを応用してリモート・センシングや空間モデリングを行う方法についての入門書としては、以下の参考文献が適しています。
##
P.20
地理空間解析のための先進的ソフトウエア
マイクロイメージズ社は、地理空間データの視覚化、解析、出版の高度な処理を行う、専門家向けソフトウェアを提供しています。製品に関する詳細は、マイクロイメージズ社にお問い合せになるか、ウェブ・サイトにアクセスしてください。
TNTmips TNTmipsは、GIS、画像解析、CAD、TIN、デスクトップマッピング、地理空間データベース管理機能を統合した専門家のためのシステムです。
TNTview TNTviewには、複雑な地理空間データの視覚化と解釈を行うための強力な表示機能があります。TNTmipsの演算処理機能や加工機能を必要としないユーザに最適です。
TNTatlas TNTatlasを使用すると、自分で作成した空間プロジェクトデータをCD-ROMにプレスして、低コストで出版や配布ができます。TNTatlasのCDには、さまざまなバージョンのTNTatlasを入れることができますので、1 枚のCDで、複数のコンピュータに対応できます。
TNTlite TNTlite は、学生や小規模プロジェクトを行う専門家向けの無料バージョンです。インターネット接続ができる場合は、マイクロイメージズ社のウェブ・サイトからTNTliteの最新バージョン(約10OMB )をダウンロードできます。ダウンロードするのに時間がかかる場合は、TNTliteの入ったCDを注文することもできます。マイクロイメージズ社または(株)オープンGISまでお問い合わせください。
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